ゴルフIIIカブリオ(後期型)1999~2002年
IIIボディのままフロント回りをIVルックで仕上げた「IVのカブリオレ」は’99年2月に日本上陸。顔はIVとなったがフェンダーアーチモールなどを廃したことで車幅は1695mmに戻り、5ナンバー登録となる。車名もカブリオではなく「カブリオレ」に変わり、エンジンは2 のAGG型を継続搭載。’01年と’02年に「カラーコンセプト」が限定発売されている。
II時代と同じくIIIのボディにIVフェイスで登場
ゴルフII時代と同じく、厳密にはゴルフIVカブリオは存在しないが、IIIカブリオをベースにフロント回りを大幅に変更し、インテリアにもIVの要素を取り入れた「IVのカブリオレ」が’99年の2月に発売されている。
ほぼ1年前の’98年3月にジュネーブショーでデビューし、そのルックスは雑誌などで知れ渡っていたが、フロント回りは見事にIVルックに仕立てられており、ニューモデル感は満点。さらに本革シート、BBS製鍛造ホイール、サイドエアバッグなどが標準装備で339万円と、IIIの最終型カブリオと比較してもお買い得なモデルとなっていた。ちなみにずっと「カブリオ」と呼ばれてきた車名は、なぜかIVの時代から「カブリオレ」に変わっている。
シャシーが変わっていないこともあり、エンジンはゴルフの最終型と同じ2LのAGG型。ゴルフIVに搭載される2LのAPK型とフィーリングはやや異なるが、IIIで定評のあった信頼性の高いエンジンだけに、実用上の差はほとんどない。一方でIII時代に装着されていたフェンダーアーチモールが廃されたことで車幅が1695mmとなり、登録は5ナンバーとなっている。
IV時代のカブリオレはこのデビューモデル以降、マイナーチェンジなども行なわれず、あまり表だった動きのない状況が続く。次に出てきたのは2年ほど経った’01年2月のことで、「カラーコンセプト」と名付けられた特別限定車として登場。限定250台で設定されたカラーコンセプトはブラック、ムラノレッド、ジャズブルーの3色が用意され、それぞれボディカラーと本革インテリアをカラーコーディネイト。ヒーター付きのレカロシートはブルーとレッドが用意され、オープンボディならではの「非日常感」を味わえるクルマとして人気が出る。
このカラーコンセプトは1年後の’02年2月にも、ボディ色の設定やスペックをほとんど変えずに250台だけ限定販売されている。346万5000円という価格も’01年のカラーコンセプトと変わっていないが、この’02年発売モデルが事実上のゴルフ・カブリオレの最終モデルとなる。’03年6月にはニュービートルにもカブリオレモデルが追加されており、VWのオープンモデル路線はひとまず、ビートルへ引き継がれたと考えてもいいかもしれない。
※文中の価格は発表当時のもので、すべて東京地区希望小売価格(車両本体価格)です。販売台数はヤナセおよび日本自動車輸入組合調べ。
構成:田畑 修/タイトルフォト:赤松 孝
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