まさに甲乙つけがたい三者三様のキャラクター
Eクラスの更新点もまた、デジタル回りの項目が多い。具体的には目的地への案内導線をリアルタイムの走行画面に連動させるAR対応ナビシステムや、ジェスチャーコントロールの多用、ドア開時に後方からの接近物警告をはじめとしたADASの強化などが挙げられる。試乗車は他銘柄と同等に揃えるならE300が適任だが、登場間もないこともあって選択肢がE200スポーツのみとなった。前期型の途中から加えられたベルトドリブンによる48Vマイルドハイブリッドシステムを併用するエンジンは、184ps/280Nmとスペックも変わらない。
Sクラスの意匠を先出ししたかのような佇まいの新しいEクラスは、好戦的な装着タイヤもあってか、低中速域での乗り心地は5シリーズより硬い。メルセデスが快適性の面でBMWに譲ることは異例中の異例だが、背景にはクルマづくりの方向性もあれば、ランフラットを履きこなす難しさもあるのだろう。ただし速度が高速域に移行しダンパーが大きく仕事をする領域になれば、リバウンド側に一切お釣りを残さないメルセデスらしいフラットライドが味わえる。
動力性能的には低中回転域ではモーターアシストもあってか1.5Lとは思えない力感を示すものの、高回転域ではポッキリカツカツといった印象で、この代で大きく高められたハンドリングの能力を鑑みれば、より強力なエンジンが欲しくなるだろう。価格とのバランス点からいえば、200スポーツと24万円差の220dスポーツがベストチョイスとなることは間違いなさそうだ。
昨年投入されたアウディA6に今年追加された45TFSIクワトロは、245ps/370Nmを発揮する2L 4気筒直噴ターボを搭載するラインナップ中ではベース相当のグレードだ。そのポテンシャルは全域においてクリーン&フラットで、パワー不足を感じることはまずないはずだ。7速SトロニックはDCT式の悪癖も一切感じられず、快適に振る舞ってくれる。そして他の2モデルに比べると後席回りにも余裕が感じられる。
その快適さに輪をかけるのが乗り心地の良さだ。タイヤは非ランフラット系とはいえ、インチアップした見た目からは想像がつかないほどに路面アタリが柔らかい。微小入力域から小さなノイズやバウンドを綺麗に取り去りコンタクト感は適切に伝えてくる、その感覚は高負荷域でもしっかりと続く。メルセデスのように上屋をゆったり動かすわけではなく、とことん几帳面かつ正確に入力に応えて平穏を保とうとする感触は、賛否は分かれるだろうがいかにもアウディらしい。そして平時の快適性は時に5シリーズをも超えるところにいる。近頃のアウディの乗り心地づくりは本当に侮れないと思う。
当然のごとくライバル視される3モデルに乗り比べてみて感じたのは、相手の良さを認め合って積極的に自らに採り入れようという姿勢と、互いとは絶対に異なる自分らしさを押し通すという姿勢が見事に交錯しているということだった。結果としてこれら3台が属するEセグメントは、DやLといった他のセグメントに対してより密度の高いガチンコの勝負を繰り広げているようにみえる。そんな中で優劣をつけるのは難しいことだが、個人的には、M系列ではない標準的な5シリーズの綺麗なバランス感覚が印象に強く残った。
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