【ヨーロッパ現地試乗】ゴルフのGTIが圧倒的なパフォーマンスを得て戻ってきた!!【VW GOLF FAN Vol.2】

“次世代”に入った新しいGTI

結論を急ごう。
ゴルフⅤのGTIは、果たしてフォルクスワーゲンが目論んだように、初期のGTIに回帰し得ただろうか。

リリースには特にボディが強化されたといって表現はなく、ノーマルとほとんど変わらないと思われるボディ。サスペンションも、スプリングやスタビライザーをよりハードなものに、ショックの減衰力

ハード面ではなし得たと思う。FFでは限界に近いと思われる片輪100psを見事にコントロールして、極上といえるハンドリングを実現しているし、それでいて乗り心地も不満のないレベルに仕上げている。この点については、本当に高く評価できる。工業製品としての仕上がりは、これ以上を求めるのが現段階、ムリであるようなところまできていると思う。

もちろんダッシュボードの造型に大きな変化はないが、3本スポークのステアリングホイールやアルミを各部にあしらうことで、スポーティな装いとしている。フォトはDSG仕様車で、ステアリングのスポークの裏にはパドルスイッチが装着されている。

アルミリングがあしらわれるメーター。タコメーターは8000rpmまで、スピードメーターは300km/hまで刻まれた、これもGTI専用。

ただ、残念ながら、初代にあった圧倒的な存在感は持ち合わせていない。サムシングはあるが、ヒエラルキーを打ち破るような強烈なエネルギーまでは感じられない。もう、ゴルフ自体、スタンスがあの時代とは完全に異なり、コンパクトカーといえど、かなりの高級車になっているからだ。正直にいうと、どちらかといえば体制側にあるような、である。

シートバッグを大型化、ヘッドレストを一体化する形のスポーツシート。ランバーサポートは標準。日本人にはやや大柄か?

Vになってさらに豊かになった空間は、レザー仕様の場合、上級車のそれに勝るとも劣らない上質感を得る。GTIは高級車なのだ。

GTIは乗り心地もそう悪くはないから、後席はおもてなしの空間としてちゃんと使える。レザーなら、なおさら喜ばれるのでは。

さりとて、フォルクスワーゲンの目指した初期の頃のGTIへの回帰は、不成功に終わったとも考えていない。それどころか、回帰することで、結果的に“スーパーハッチ”とでも呼ぶべき新しいジャンルを切り開いたように思われる。その回帰は、新しい世界の創造に繋がっていたのである。

DSGのシフトレバー。インジケーターで分かるように、左に倒せば、マニュアル操作も可能。何速かはメーター上で示される。

オプションの18インチ。ホイールはアルミ切削面の鈍い光を活かすタイプ。装着タイヤはMIのパイロットスポーツだった。

GTIは5代目にして、次元が完全に異なる“次世代”に入ったのではないだろうか。

ポール・リカールの一角にあるカートコースに忍び込んでのワンショット。やはり、かなり大胆でアグレッシブなフロントデザインであることが分かる。この顔が日本で見ることができるのは、来年の春以降?

【specification】
GOLF GTI(6MT) ※[ ]内はDSG
■全長×全幅×全高=4216×1759×1466mm
■ホイールベース=2578
■トレッド(前/後)=1539/1528mm
■車両重量=1372[1391]kg
■最小回転半径=5.45m
■乗車定員=5名
■エンジン型式/種類=-/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行程=82.5×92.8mm
■総排気量=1984cc
■圧縮比=10.5
■最高出力=200ps(147kW)/5100rpm
■最大トルク=28.5kg-m(280Nm)/1800-5000rpm
■燃料タンク容量=55L(プレミアム)
■ミッション形式=6MT[6DSG]
■変速比=(1)3.36[3.46](2)2.09[2.15](3)1.47[1.46](4)1.10[1.08](5)0.87[0.85](6)0.73[0.71](R)3.12[3.08](F)3.94[4.06]
■サスペンション形式=前ストラット/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前Vディスク/後Vディスク
■タイヤ(ホイール)=225/45R17(7.5J)

Iへの回帰というより、新しい世界の創造。これが新しいGTIの正しい捉え方ではないだろうか。

リポート:小倉正樹/フォト:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン

VW GOLF FAN Vol.2から転載

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2020/10/25 12:00

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