旅先での出会いがLC500の理解を深めた
まずはLC500に乗り込む。すると、そこに広がるのは思わず息を飲むほど仕立ての良いインテリアだ。美しい曲面に沿ってピンと張られたレザーや、美しく揃ったステッチの精緻さには背筋が伸びるよう。とは言え、決して息苦しいわけではなく、優雅な造形、マテリアルの質感もあって、いかにも良いモノに触れているなという充足感で満たされてくる。
それにしても本当に、よくこんなインテリアが実現できたものだと思う。ドアノブひとつ見ても、まるで工芸品のよう。マグネシウム製のシフトパドルの極上の手触りも、思わず手が伸びてしまう。
都内から首都高を経て東北自動車道へ。まずはひたすら北上していく。ここでの嬉しい驚きは、LCのフットワークが従来よりも確実に洗練度を高めていたことだ。
今回のマイナーチェンジでLCクーペは、サスペンションパーツの多くをアルミ製としてバネ下を軽量化し、車体への入力を軽減。ボディにはパフォーマンスダンパーを装着して、その入力に対する減衰をコントロールしている。その効果はてきめんで、乗り心地はしっとりとした味わいを深め、フットワークも操作に対して、すっきり反応するよう進化している。長距離クルーザーとしての資質が格段に高まっているのである。
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