レクサスのフラッグシップ・クーペ&コンバーチブルで訪れる新しいニッポン/ニッポン再発見プロジェクト【第1回】

迷わず前に進み続けるレクサスのモノ作り

続いてLC500コンバーチブルに乗り換える。オープンボディは非常にしっかりしていて、クーペと同様に直進性、快適性も非常に高い。しかも遮音が相当入念に行なわれたと見えて、ソフトトップを閉じているとオープンであることを忘れてしまいそうになる。

コンバーチブルのリアエンド後端はダックテールのように跳ね上がったデザインが採用され、 LEDテールランプはトランクリッドに設置。ルーフの開閉は50km/h以下なら走行中も可能で、所要時間は15秒。

もちろん開ければ、風と陽光を思い切り楽しめる。室内への巻き込みも最小限で、高速道路でも心地よいV型8気筒サウンドを味わいながら、開放感たっぷりのドライブを満喫できるのだ。

改めて、こうした大人のクーペやコンバーチブルで過ごす時間は、とても満ち足りたものだなと感じた道中。日本のブランドから、こうしたクルマが登場することなんて、LC以前には想像できなかった。そう考えると、何やら感慨深い気持ちになってしまった。

コンバーチブルのセミアニリン本革シートにはネックヒーターを装着。研磨仕上げとブラックのツートン仕様のアルミホイールなど、内外装ともに細部の意匠は手抜かりない。

歴史はもちろん大切にしながらも、過去に培われた常識に囚われることなく迷わず新たな地平へと漕ぎ出していく。伝統というのは単に守るだけではなく、先に進み続けることによってこそ実は継承、発展していく。クルマの世界も同じことなのだろう。

日本発の繊細なデザイン、マテリアルへのこだわりと最先端のテクノロジー、そして世界を見据えた視座が重なり合って、レクサスは今、世界のどこにもないプレミアムブランドとしてのあり方を確立しつつある。2台のLCで巡ったロングドライブは、まさにブランドの真髄へと触れる貴重な体験となったのだ。

無垢の金属を革で包み込んだシフトノブやセンターコンソールは、生地の表に糸を見せないインステッチで作り込まれ、上品でエレガントな雰囲気を味わうことができる。

フォト=岡村昌宏/M.Okamura(CROSSOVER) ルボラン2020年11月号より転載

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島下泰久
AUTHOR
2020/10/05 11:00

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