ジャガーのEV、I-PACEで鹿児島から東京まで1,800km、桜前線を追いかけながら5日間かけて行う充電旅。3日目の朝、広島を出発した我々は岡山県高梁市の高梁市立図書館に立ち寄るべく、山陽自動車道の岡山県・笠岡ICで高速を降りることにした。
「カブトガニ博物館」に「鉄道記念館」
思わず寄り道したくなる場所ばかり
元来寄り道好きで、すぐ脱線しがちなドライバーこと私・隂山は、ICを出るなり魅力的な博物館の表示を発見する。その名は「カブトガニ博物館」。インターから約8キロ15分とのことだが、なんと楽しそうで魅力的な名前であろう! 「13時に高梁市立図書館で約束があるので、ギリギリだが行けなくもないかなぁ?」とつぶやくと、顔に似合わず?キッチリとした性格のカメラマン氏はさすがに私の計画を制し、そのまま目的地に向かうこととなった。
ICを降りると、道沿いに畑があるローカルな景観が広がり、晴天の昼ということもあって窓を開けるとなんとも気持ちがよい。ふと横をみると、可愛らしい昔の蒸気機関車が客車とともに飾ってあった。「ナローゲージだ!」思わず叫び、I-PACEをすぐに脇道に停車させ、冷たい眼差しを向けるカメラマン氏から逃げるように、カメラを持って蒸気機関車のほうに向かった。
「笠岡市井笠鉄道記念館」の蒸気機関車を
ハッセルブラッドで記憶に焼き付ける
展示された蒸気機関車の隣には木造の古家が建っており、そこには「笠岡市井笠鉄道記念館」と書かれている。中は昔の駅舎のような佇まいで、かつての待合所を彷彿とさせる古い看板や昔の鉄道に関するさまざまなものがディスプレイされている。聞くところによると、この建物は1913年に開業した当時のローカル線・井笠鉄道の旧新山駅舎で、現在は豊富な資料を展示する展示室となっており、屋外展示として当時活躍した蒸気機関車と客車が展示されているとのことであった。
ちなみにナローゲージとは線路幅が標準軌間より狭い軌間のことで、井笠鉄道は特殊狭軌と呼ばれる762mmを採用。展示されている蒸気機関車はドイツのコッペル社製で、こうしたナローゲージの機関車は、鉄道好きには大変人気があるのだ。蒸気機関車はやがて時代とともに電化されていくが、電気自動車の旅でこうした記念館に出会ったのも何かの巡り合わせなのか、なかなか面白いものだ。ちなみに、この日のカメラは「ハッセルブラッド」のデジタルカメラ「X1D II 50C」を使用。撮影するという機能は残しつつもフィルムからデジタルに移行したカメラも、高級ブランドでは操作性や画質、デザインで他メーカーとの差別化を図り、独自の世界観を打ち出している。このあたりはジャガーの電気自動車と共通するところがありそうだ。
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