【比較試乗】「アルピーヌA110 ピュア/リネージュ」意のままに操れる一体感と、時空を超えたモダンなデザイン

ALPINE A110 PURE

室内ではサブウーファーが省かれ、人工スウェードのサベルト製軽量バケットシートを採用。

ピュアは前7J/後8Jの鍛造アルミを履く。

ALPINE A110 LINEAGE

エレクトラのオーディオはサブウーファー付き、シートはヒーター付きのレザー張りでGT風。

リネージの鋳造アルミは前7.5J/後8.5J。

【Specification】ALPINE A110
■全長×全幅×全高=4205×1800×1250mm
■ホイールベース=2420mm
■車両重量=1110kg(ピュア)/1130kg(リネージュ)
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1798cc
■最高出力=252ps(185kW)/6000rpm
■最大トルク=320Nm(32.6kg-m)/2000rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(前:後)=Wウィッシュボーン:Wウィッシュボーン
■ブレーキ(前:後)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(前:後)=205/40ZR18:235/40ZR18
■車両本体価格(税込)=7,900,000円(ピュア)/8,290,000円(リネージ)
■問い合わせ先=アルピーヌ・ジャポン0800-1238-1100

 

【New】ALPINE A110S/アルピーヌA110S

ル・マン24時間でアンヴェールされたハイパフォーマンス版

コントローラブルさを狙った従来のA110に対し、高速域での性能向上に主眼に置いた新しいバージョン「A110S」が今年のル・マン24時間で発表された。ブースト圧を+0.4barほど高めつつ制御プログラム書き換えにより、最高出力は292psに、最大トルクは320Nmのままながら発生回転域を2000-6400rpmにワイド化している。
シャシー関連では、タイヤサイズを前215/40R18、後245/40R18と10mmづつ拡大し、ミシュランのパイロットスポーツ4はそのままだが縦方向グリップ重視タイプに変更。スプリングレートは+50%、合わせてダンパーも一新され、アンチロールバーとストラットタワーバーも補強。重量は1114kgながら、オプションのカーボンルーフとフックス製鍛造アルミホイール装着によって1107kgまで軽量化は可能。外観上はブラッククロームのロゴとオレンジ&カーボンのフラッグ、内装ではオレンジのステッチが特徴となる。

 

【Interview】J-P,Dause/ジャン・パスカル・ドース
アルピーヌ チーフビークルエンジニア

「鋭さは増してもアルピーヌらしさ、日常における快適性は必須です」

「プルミエール・エディション、ピュアそしてリネージという先行する3モデルは、往時のA110と同じく、ドライビングの楽しさやコントロール性の高さを重視していました。対してA110Sは、より研ぎ澄まされた仕様。エンジンの出力特性からして伸びと切れ味を優先させ、その特性をパフォーマンスに反映させるため足回りもすべて見直しています。具体的には、重心位置は4mm低く、タイヤも少しワイドで縦方向グリップ重視タイプを履き、高速域でのロールも抑える方向です。決してサーキットでのラップタイム向上が主目的ではありませんが、結果としてコーナリング速度が速くなっていることは確かです。ギア比とブレーキはこれまで同様で、変える必要もなかったですし、LSDも装着していません。日常的な走行や使い方でも、許容できる範囲の快適性がないというか、ガチガチの足回りでは“アルピーヌ”にはなりませんから」。

フォト:郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン2019年8月号より転載

この記事を書いた人

南陽一浩

1971年生まれ、静岡県出身、慶應義塾大学卒。ネコ・パブリッシング勤務を経てフリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・男性ファッション・旅行等の分野において、おもに日仏の男性誌や専門誌へ寄稿し、企業や美術館のリサーチやコーディネイト通訳も手がける。2014年に帰国して活動の場を東京に移し、雑誌全般とウェブ媒体に試乗記やコラム、紀行文等を寄稿中。2020年よりAJAJの新米会員。

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南陽一浩
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2019/07/27 09:00

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