マツダCX-8 XD 2WD Lパッケージ vs プジョー5008 GT ブルーHdi、日本を代表するディーゼルSUVがヨーロッパの雄に挑む【清水和夫のDST】#92-1/4

クルマ作りの思想が個性的なSUVを生む

ディーゼルで躍進するマツダのクルマ作りは、他とは異なる開発プロセスがあるという。いわゆるモデルベース開発(MBD)と呼ばれる手法だが、コンピュータが大量に使われる昨今のクルマは、従来の手法では迅速な開発が困難となってきている。マツダは経営が苦しい時期にコストを低減できるツールとしてMBDの実用化を目指していた。具体的にはクルマのさまざまな機能や性能を数式で紐解き、求める性能をモデル化し、徹底的にシミュレーションをすることで量産に辿り着く。例えばエンジンの場合、ECUを動かすプログラムは一千万行にも及ぶと言われているが、シミュレーションなくしてプログラムのバグを見出すことは困難なのだ。

MBDの実戦投入は、スカイアクティブ・テクノロジーがその代表格だが、CX-8の開発にMBDは大いに活用されたはずだ。MBDを用い、エンジン以外のダイナミクスにも着手、ゆえに単にCX-5のストレッチ版としてCX-8が完成したのではない。ベテランの評価ドライバーが手作業でチューニングした従来手法と、MBDで生み出したモデルに大きな差異はないことも確認されており、先に登場したGベクタリングもMBDで開発されたデバイスだ。

それにしても、マツダのクルマはいい意味で、どのモデルに乗っても同じ感覚がある。「ドアを開けて座り、ドア閉めてコクピットを確認。ドラポジを決めて……」とすべてに一貫性がある。だが450Nmのトルクを味わい深いものにするために、スロットルペダルのストロークをもう少し長くすれば、懐の深い加速感が得られると思った。この話はMBDの要求モデルの設定次第かもしれないから、人間の感覚を反映する作業は不可欠だろう。

リポート:清水和夫/K.Shimizu フォト:篠原晃一/K.Shinohara ル・ボラン 2018年9月号より転載

■関連記事

2019/06/17 07:00

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!