3列シートと言うと真っ先に思い浮かぶのはミニバンだ。とはいえ、最近注目されているのは多人数が乗れるSUV。走りやデザインを諦めたくない、でも家族や友人とドライブを楽しみたい! そんなユーザーに向けて7人乗りの3モデルを集めて使い勝手や走りを比較してみた。
3列シートSUVにはミニバンにない魅力が
3列シートSUVの人気がじわじわと高まっている。祖父母や友人、子供も含めて5人以上で出かけるとき、2列シートでは窮屈だったり1台に乗り切れなかったりで不便だが、かといってミニバンは選びたくない、という人は少なくない。また、最近は安全性重視でチャイルドシート自体が大きくなり、子供はまだ小さいが後席3人乗車はきつい、という事情もありそうだ。
PEUGEOT 5008 GT BlueHDi/最上級グレードのGTはテップレザーとアルカンターラのコンビシートを標準装備。サードシートは床下収納に加えて取り外しも可能だ。2WDながら路面状況に応じて駆動輪へのトルク配分を調整できるアドバンスドグリップコントロールで走破性を確保する。5008は街中での取り回しも苦にならない。
そこで3列シートの7シーターSUVの出番となるわけだが、多くのSUVは2列シートが標準設計で、それにサードシートを加えて6人もしくは7人乗りとしている。それだけにサードシートの居住性はミニバンには劣ってしまうが、それでもSUVならではのスタイルや走行性能、走破性を手にできるアドバンテージは大きい。また、普段は4人以下での移動が主だが、年に何回かは6.7人乗り込んで出かけたい、というニーズもあるだろう。
AUDI Q7 45 TFSI QUATTRO/Q7は最新のアウディバーチャルコックピットを装備する。電子制御式フルタイム4WDのクワトロが標準仕様。運転支援技術も他の追従を許さない。ラゲッジスペース容量は3列目を格納した状態で770.、2列目を倒した状態で1955Lとなる。総合力ではQ7が頭ひとつ抜け出している。
今回はそんなニーズを満たしてくれるSUV3車をフィールドに連れ出してみた。それぞれ開発コンセプトが異なり、出身国も違う3車は目指すところも違うが、スペックだけでは語れない魅力の持ち主でもある。その個性と特徴をウォッチしていくとしよう。
CADILLAC ESCALADE PLATINUM/インテリアではCUEと呼ばれる最新ナビゲーションシステム、セミアリニンフルレザーシートを採用。2/3列目シートはフラットに格納できる。6.2L直噴V8エンジンは低負荷時には気筒休止による高効率化も実力している。トランスミッションは8速ATを組み合わせる。エスカレードはいかにも“アメ車”らしい仕上がり。