【国内試乗】「アウディTTSクーペ」初代誕生から約20年目のフェイスリフト!

ドイツ製スペシャリティモデルの中でも、TTの存在感はとりわけ貴重だ

徹頭徹尾の作り込みを貫いた初代ほどの意気込みは感じずとも、TTのインテリアは相変わらず整然とした気持ちよさでドライバーを迎え入れてくれる。後席はもちろんエマージェンシーだが、荷室は大型スーツケースも収まるほど広く、ミニマルな2シーターワゴンとしての価値も不変だ。

ヘッドレスト一体型のスポーツシートが標準装備。トリムはアルカンターラとレザーのコンビで、ダイヤモンドステッチが施される。

初代から2代目に対して、3代目TTが最も進化したポイントはやはり走りということになる。取材当日は生憎の雨に見舞われたが、横置きの4WDは……と蔑まれてきたTTSのクワトロシステムはきっちりスタビリティの一助を果たしつつ、隙あらば積極的に後輪側へ駆動を振り分けアクティブに曲げようともする。現世代の横置き系クワトロは、サーキットをガシガシ走り込むような用途でもなければ、十二分にその恩恵をお楽しみの側でも感じさせてくれる。

ハイチューン版の2L直4ターボ+6速Sトロニックに変更はなし。今回はTTクーペ40TFSIの4気筒のみ従来比+17ps/+70Nmの増強が施されている。

動力性能的にはさすがにハイチューンのターボユニットだけあって、ごく低回転域ではトルクの薄さも感じることがあるが、4WDにして1400kg前半という重量がそれを巧く相殺する。TTSはエンジンを回して走るワインディングだけでなく、街中でもその軽快感を充分に満喫できるだろう。
眩いほどに華があるわけではない。でも理詰めに過ぎて退屈なわけでもない。ドイツ製スペシャリティモデルの中でも、TTの存在感はとりわけ貴重だ。この個性は、日本の生活観においても馴染みやすいものだと思う。

TTSのホイールは18インチが標準。可変ダンパーのマグネティックライドも標準装備となる。写真の外板色は専用のターボブルー。

リポート:渡辺敏史/T.Watanabe フォト:柏田芳敬/Y.Kashiwada ル・ボラン2019年7月号より転載

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