室内のデザインはセンスのいい仕上がり
グレー基調に蛍光オレンジのアクセント・ラインが入っていて、メーターバイザーの上にヘッドアップディスプレイが備わる点は共通。色合いとしてはけっこう冒険している類だが、野暮ったく見えない点がさすがシトロエン、口にするのも野暮ったいが、パリ生まれの自動車メーカーだけある。近頃のコンパクト系の内装の仕上げといえば、Bセグに限らず化学繊維の安っぽさ丸出しで、殺伐としたレンタカー・グレード並のものが多いことを思えば、いい大人が落ち着けるレベルにあること自体、貴重だ。日本未導入だったC3ピカソの実質的な後継車種だけに、C3エアクロスの室内のルーミーさ・インテリアの洗練ぶりは、正常進化の範囲内ではある。
走りについては、鼻先の重いディーゼルよりガソリン仕様の方が明らかに前脚のつっぱり感がなく、自然なロールと軽快なハンドリングを見せる。乗り心地や段差越えで不快さはないものの、明らかに高速道路での巡航を得意とするタイプではない。というのも、角ばったボディが空力的でないのか、120km/h以上からアクセルを緩めるとエアブレーキが効いたかと思うほど速度は落ちるし、110km/h前後でメーター上の瞬間燃費も劇的に改善される。日本の法定速度内なら問題にならないはずとはいえ、130km/h巡航では風切り音も、小さな空気の流れが表面でブツかっているような、細かな揺れが始終伴う。
ようは、ニューC3よりルーフが高くなった分、それなりのもっさり感はある。ところがC3エアクロスで走ることは苦痛どころか、逆に下道で90㎞/h以下の領域で遠くに行くのが楽しいと思わせる。そこに、このクルマの矛盾した魅力がある。動的質感という観点で微視的に見たら粗はある。だがそれらは予想も制御も可能な粗で、わざわざ粗の出る走り方をしなくなる。逆に内装の居住性、というか居心地そのものがよいので、妙な寛ぎオーラも、そうさせる。
この、矛盾がひと巡りして醸し出されるスローな安心感。そういう意味で、ニューC3が至極快適に距離をグイグイと飲み込んでいくBXに近いコンパクトとすれば、C3エアクロスは2CVに近いと思う。シトロエン・ワールドは間口がより広くなって今も健在だ。
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