メルセデス・ベンツ C220d vs フォルクスワーゲン パサート、加減速テストでは両車とも個性を発揮した性能を披露【清水和夫のDST】#69-2/4

両車とも個性を存分に発揮したハイレベルなパフォーマンスを披露

C220dのアイドリングは、最新ディーゼルと比べて音や振動がやや気になった。だがスロットルを踏み込むと、発進からグッとトルクが出る特性は魅力的。しかも、新開発の9速ATは発進時のトルクコンバーターがエンジン特性と合っていて、加速も切れ目なく続くので満足できる。しかし、エンジン回転数の上限は4600rpmくらいで、車速が上がるほどトルクよりもパワー(仕事率)が勝り、ディーゼルよりもガソリンエンジンの方が有利となるだろう。ブレーキテストの一回目は路面が冷えていたこともありバイト感が足りなかったが、暖まれば期待通りのブレーキ性能だった。CクラスのABSは、右足にペダル振動を感じるものの、音が耳に伝わってくることはなくプレミアムなABSといえるだろう。

MERCEDES-BENZ C220d
●加速:0.31G(★★★☆)
●減速:0.87G(★★★)

ディーゼルと比べ、ガソリン1.4L TSIはトルクで負けるが回転の伸び感が期待できる。だが発進時はトルクが小さく、しかもクラッチの滑りを防ぐためにエンジンは少しストール気味だ。タイヤが数回転するとガソリンターボとDSGが元気になり、変速はきわめてダイレクト感に溢れ、7速の多段化ギアを有効に使える。これらを総合すると、非常に愉しい走りを体感することができ、これはC220dでは感じられないフィーリングだ。0→100km/h加速の平均加速GではC220dに対して0.03G負けてしまったが、60km/h以上の車速になるとガソリンターボの方が有利だった。ブレーキは1回目も2回目もよく利き、バイト感も期待できた。ABSはペダル振動と音が伝わってくるので、少々煩わしく感じてしまった。

VOLKSWAGEN PASSAT
●加速:0.28G(★★★)
●減速:0.97G(★★★★)

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2016年6月号より転載

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