CクラスとEクラスのカブリオレを統合して生まれたCLEカブリオレ。SLCクラスやSクラスからもカブリオレが消滅した現在、CLEカブリオレがそのニーズを一挙に引き受けることとなるが、その重責をしっかりと果たした1台と言える。
メルセデスのカブリオレを一挙に担うCLE
ヨーロッパでは今春にデリバリー開始となったCLEカブリオレ。日本でも6月25日に発売となり、早速都内で試乗することができた。
CLEカブリオレは、先に上陸したCLEクーペと同様に、かつてのCクラス・カブリオレとEクラス・カブリオレを統合して生まれたブランニューモデル。SLCクラスやSクラス・カブリオレが消滅し、SLもAMG専用モデルとなったため、CLEカブリオレはいまやメルセデス・ベンツブランドで唯一のカブリオレである。
CLEクーペは、非常に上質で洗練された大人のスポーティクーペといったモデルだが、果たしてカブリオレはどうなのか。限られた時間ではあったが、その走りから感じたことをリポートする。
今回日本市場に導入されたのは、2L直4ガソリンターボを搭載したFRのCLE 200カブリオレ・スポーツの1グレードのみ。ヨーロッパ仕様には、V6モデルやディーゼル、4WDモデルもラインナップされているが、オープンカー市場が小さい日本には導入されない見通しである。
日本仕様のCLE 200カブリオレ・スポーツは、最高出力204ps、最大トルク320Nmの、ツインスクロールターボを備えた2L直4ガソリンターボに、23psと205Nmを発揮する48VマイルドハイブリッドシステムであるISGを組み合わせ、9速ATを介して後輪を駆動する。メカニズム的にはCLE 200クーペ・スポーツと同じだ。
電動開閉式のソフトトップは、走行中でも60km/h以下であれば開閉可能。実際に50km/h強で走りながら、センターコンソールに備わるスイッチを操作してみたのだが、スムーズに開閉した。
フロントウインドーフレームの上部には、オープン時に風の巻き込みを抑えるエアキャップ、リアシート直後にもドラフトストップが備わるので、オープン状態で高速道路を走っても、キャビンにはそよ風が吹く程度の風しか入ってこない。これなら冬場でも、首周りを温めてくれるエアスカーフを使えば、快適なオープンドライブが楽しめるはずだ。
走りの方はと言うと、そのエレガントなルックスに違わず、非常に上質で、これぞラグジュアリーオープンカーといった感覚である。
電動開閉式トップの開閉メカの搭載や、車体各部に追加された補強材などにより、CLEカブリオレの車両重量は1900kgとクーペより130kgほど重く、重心高も若干高くなっている。しかし、その分ボディの剛性感は十分に高く、加速フィールもゆったり上質。これぞ「酸いも甘いも噛み分けた、自分らしい人生を楽しむ大人のためのカブリオレ」といった玄人好みのクルマに仕上がっている。
試乗車にはオプションの可変ダンパーを備えたダイナミック・ボディ・コントロールが組み込まれていたこともあって、乗り心地はとても良好。ダイナミック・セレクトをコンフォートからスポーツに切り替えれば、適度にダイレクト感のある走りも楽しめる。
トップを閉じれば、そこはもうクーペと比較しても遜色ないほど優れた静粛性を実現した、上質な空間が広がる。ひとりで運転しているときには「ハイ・メルセデス」の声掛けが不要になる「ジャストトーク」が使え、一定の条件で各種機能を作動させる「ルーティン機能」も備えた、第三世代のMBUXも、とても使い勝手が良い。
メルセデスのカブリオレの選択肢が少なくなってしまい、若干の寂しさを覚えていたが、この新型CLEカブリオレは、「クルマの良し悪しは速さだけじゃない」と思い始めた若い世代からアガリのクルマを探している年配の人まで、多くの人を満足させる仕上がりと言って良いかもしれない。
【Specification】メルセデス・ベンツCLE200 カブリオレスポーツ
■車両本体価格(税込) ¥9,360,000
■全長/全幅/全高4850 /1860 /1425
■ホイールベース2865
■トレッド(前/後) 1605 /1585
■車両重量1900
■エンジン型式/種類254M20 /直4DOHC16V +ターボ
■内径/行径83.0 / 92.3
■圧縮比−
■総排気量1997
■最高出力204(150)/5800
■最大トルク320(32.6)/1600-4000
■燃料タンク容量66(プレミアム)
■燃費(WLTC) 14
■トランスミッション形式9 速AT
■サスペンション形式W ウイッシュボーン/コイル
マルチリンク/コイル
■ブレーキV ディスク/ V ディスク
■タイヤ(ホイール) 245/40R19 / 275/35R19
問い合わせ先=メルセデス・ベンツ TEL0120-190-610
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