【プロトタイプ試乗】BMW M5プロトタイプをサーキットでテストドライブ。V8+PHEVで示した次世代Mの片鱗「BMW M5 プロトタイプ」

Mハイパフォーマンスモデルの雄、BMW M5がPHEV化されてリリースされる。今回はモータージャーナリスト竹花寿実氏がステアリングを握ることを許され、ザルツブルクリンクでテストドライブ。新しいM5の第一印象をお届けしよう!

M5のPHEV化、その出来栄えはいかに!?

8代目BMW5シリーズがお披露目されてから約1年。ハイパフォーマンスバージョンであるM5セダンが発表となった。
M5としては7世代目となる新型は、モデルとしては初めて電動化。BMWのMモデルには、すでにハイパフォーマンスPHEVのXMが存在するが、XMはM専用モデルであり、やや特殊な位置づけである。これまで通常のBMW各モデルをベースにしたMモデルは、直6やV8を搭載した純ICE車だったが、ついにニューM5がPHEVに進化したのだ。

PHEVとなった新型M5は、7月にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでワールドプレミアを予定。ホイールサイズはフロントが20インチ、リアは21インチで、タイヤサイズはフロントが285/40ZR20、リアは295/35ZR21だ。

純ICEのMモデルに慣れ親しんだ身としては、「M5よ、お前もか!」という気持ちにならなくもないが、今やメルセデスAMGや多くのスーパーカーブランドも、PHEVを続々と投入するご時世だけに、時代の流れとして受け入れるしかないのかもしれない。
新しいM5のハイブリッドパワートレインは、XMと基本的に共通だ。しかし、よりダイナミックな走りが求められるM5に最適化するべく、ソフトウェアは専用にチューニングが施されている。
今回は、発表に先駆けて開発の最終段階に近いプロトタイプを、オーストリアのザルツブルクリンクで試乗することができた。

ザルツブルク郊外にあるサーキットのピットレーンで目にしたM5プロトタイプは、車両全体にカモフラージュが施されていたが、50mmワイド化された前後フェンダーや専用デザインの前後バンパー、トランクリッドスポイラー、4本出しのエキゾーストエンドなどがひと目で確認でき、迫力満点のルックスを醸し出していた。
コクピットに座り、ブレーキペダルを踏み込んでスタートボタンを押すと、4.4L・V8ツインターボが始動し、低く唸るようなアイドリングサウンドを響かせる。

「Mハイブリッドシステム」と呼ばれるハイブリッドパワートレインは、4.4L・V8ツインターボが585ps/750Nmを絞り出し、8速Mステップトロニックに組み込まれた電気モーターは197ps/280Nmを発揮。システム合計では、最高出力727ps、最大トルク1000Nmにも達する。果たしてどれほどのパフォーマンスを見せてくれるのか、大きな期待を胸に、M社のインストラクターに続いてコースインした。Mセットアップメニューはもちろん4WDスポーツだ。
1周の慣熟走行の後、メインストレートに向けてアクセルペダルを深く踏み込むと、間髪入れずに4輪がアスファルトを掻きむしり、全長約5.1mの大柄な車体が猛烈な勢いで加速する。
シケインやヘアピンへの侵入では、抜群の制動性能とコントロール性を備えたMカーボンセラミックブレーキが、非常に安定したブレーキングを披露。コーナリング姿勢も非常に安定している。

「ハイブリッドパワートレインのコンポーネントはXMと共通だが、新型M5のダイナミックな走りはXMとは別モノ。もう少し重さを感じさせないようなチューニングができれば、歴代M5の中でも屈指の一台になるはず」と竹花氏。

立ち上がりで少々ラフにアクセルペダルを踏み込んでも、さらに進化したM xDrive4輪駆動システムと、リアアクスルに備わるアクティブMディファレンシャルが高いトラクションを発揮し、不安定になるどころか、確実にクルマを加速させる。
ハンドリングはとても正確だ。ステアリング操作に対する反応も俊敏だが、過敏な感覚はなく、ハイスピード走行でもリラックスして走りを楽しめるのが、新型M5の大きな魅力と言っていいだろう。
気になったのは重さだ。車両重量が2435kgと、先代(F90)M5より約500kgも重いのだ。結果、0→100km/h加速は3.5秒と、先代より0.2秒遅い。絶対的な速さはそれほど重要ではないが、正直コーナリング時にも重さを感じるのは、Mモデルとしては少々残念な感が否めない。今年11月のデリバリー開始までに、せめてフィーリングの部分だけでも改善されることを期待したい。

フォト=BMW AG ルボラン2024年8月号より転載

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竹花寿実
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2024/07/06 11:30

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