現在日本では、およそ80種類にもおよぶ魅力的なドイツ車が販売されており、エンジンタイプやグレードの違いを含めれば、その選択肢は無限に広がる。そんな中で、実際にどのモデルが一番オススメなのか? と悩まれる方も多いはず。そこで、多くの試乗経験を持つ『ル・ボラン』執筆陣にアンケートを実施。その集計結果により、総合ベスト10を発表! 一番オススメのモデルは果たして!?
スポーツカー界の絶対的王者、いまこそ乗らずにどうする!
世のクルマ好きなら「一度は911が欲しい!」と思ったことがあるはずだ。RRレイアウトという独自の基本スタイルを継承し、その時代時代で様々なバリエーションを展開。現在のタイプ992にも、カレラ、カレラ4、タルガ、カブリオレ、GT3と豊富な選択肢が揃う。今回、20人のライターがオススメするベスト10の第1位はポルシェ911。アナタの背中を押します!
下野康史氏:「人がコミットできるのがMT車の魅力」
特にオススメなモデル「911カレラGTS」
最もベーシックな”カレラ”でも変速機は8段PDKの一択。ついにポルシェはMTを見捨てたか!? と思わせた992型に現れたMT付き911がカレラGTSである。しかもGT3用の6段とは違う新設計の7段型で、実際、911史上最も小気味よいシフトフィールを持つ。クラッチペダルはGRヤリスと同程度か、少し軽いくらいだ。その7段MTで味わうツインターボ3Lフラットシックスは、まるで自然吸気の1.6Lツインカムのようだった。
だが、変速機としての絶対性能は、デュアルクラッチのPDKに大差をつけられている。GTSクーペの場合、0→100km/hの加速タイムはPDKの3.4秒に対して4.1秒。7段MTの2速は126km/hまで伸びるから、発進後のギアチェンジは1回ですむが、それにしたってPDKのシームレス変速には及ぶべくもない。そもそもMT車の加速性能は”人による”。しかし逆にいうと、人がコミットできるのがMT車の魅力である。そして、ドライバーのうまいへたが出るところが、911の伝統的な価値だった。
見捨てるどころか、最近発表した限定モデル”スポーツクラシック”は7段MT一択だ。そうか、ポルシェはMTをそうやって祀り上げる作戦かと得心した。この際、祀り上げられちゃいましょう。
島下泰久氏:「モータースポーツを起点に走りを徹底的に磨き上げる」
特にオススメなモデル「911 GT3」
ポルシェ911の魅力は、長い歴史の中で培われてきた、決して自らを見失わないところではないかと思う。モデルチェンジのたびに大胆に攻めながらも、曲げてはいけないところは絶対に曲げない、そんな堅い信念。まさにタイプ992は、大幅な進化と同時にしっかりとその哲学を継承した、紛れもない911である。
その中でも新しいGT3は、際立ってストイックな存在だ。お馴染みの9,000rpmまで回る4L自然吸気フラットシックスも相変わらず絶品だが、今回特に衝撃を受けたのは、そのフットワークである。レースカーに続いて採用されたフロントダブルウィッシュボーン式サスペンションは操舵に対して一瞬の遅れもない切れ味、極上の一体感を実現。従来から使われている後輪操舵との組み合わせで、紛れもなく911でありながら、他のモデルより完全に一段上のシャシー性能を獲得している。この走りには正直、脱帽である。
そう、モータースポーツを起点に走りを徹底的に磨き上げるというあり方はこれまでとまったく変わらず、一直線の進化を果たしているのが最新のGT3なのだ。CASEなどといわれ出して以降、さすがに揺れているドイツ車の中で、その軸のブレなさはますます輝きを増している。
渡辺慎太郎氏:「最新が最良であることを絶対に外さない」
特にオススメなモデル「911 カレラ」
編集部から今回の集計結果が送られてきて1位がポルシェ911となっていて「やっぱりな」と思った。そこにはもはや驚きなど微塵もなく、むしろあまりにも想像通りで、ちょっとつまらないとさえ感じてしまった。
911が優れているのは、クルマとして走る曲がる止まるの基本性能を極めているからだと考えている。走る曲がる止まるを突き詰めたら宇宙一のスポーツカーになっていた、と言ってもいいかもしれない。そもそもRRは、前後重量配分やヨー慣性モーメントの観点からすればミッドシップよりも不利なパッケージである。
それにもかかわらず、ちゃんと走って曲がって止まるようにできているのは、長きに渡る経験と実績の積み重ねはもちろん、ポルシェのエンジニアのプライドが突き動かされた結果と解釈している。彼らは911がどうあるべきかを正確に理解した上で、モデルチェンジをする度に最新が最良であることを絶対に外さない。”絶対”なんてこの世にそうそうあるものではないけれど、911にはそれがある。
実は911には実用性という魅力も備わっている。後席を倒せば大きなスーツケースさえすっぽり飲み込む。”旅するクルマ”というコンセプトも、初代からずっと引き継がれているのである。
◆Specification「ポルシェ911 GT3」
全長×全幅×全高=4,573×1,852×1,279mm
ホイールベース=2,457mm
車両重量=1,435kg
エンジン種類/排気量=水平対向6DOHC24V/3,996cc
最高出力=510ps(375kW)/8,400rpm
最大トルク=470Nm(47.9kg-m)/6,100rpm
トランスミッション=7速DCT
サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
タイヤサイズ(F:R)=255/35 ZR20:315/30 ZR 21
車両本体価格(税込)=24,380,000円
問い合わせ先=ポルシェジャパン 0120-846-911
◆Specification「ポルシェ911 カレラGTS」
全長×全幅×全高=4,520×1,850×1,303mm
ホイールベース=2,450mm
車両重量=1,500kg
エンジン種類/排気量=水平対向6DOHC24V+ツインターボ/2,981cc
最高出力=480ps(353kW)/6,500rpm
最大トルク=570Nm(58.1kg-m)/2,300-5,000rpm
トランスミッション=7速MT
サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
タイヤサイズ(F:R)=245/35ZR20:305/30 ZR 21
車両本体価格(税込)=19,420,000円
問い合わせ先=ポルシェジャパン 0120-846-911
■関連記事
- ポルシェのデザインスタジオの舞台裏を独占取材! ポルシェの”クルマづくり”のインスピレーションの源。
- 「911ダカール」の生産終了記念、特別なデザインで輝く「ポルシェ911ダカール・ゾンダーヴンシュ」を製作
関連記事
新たに2バージョンが加わり、11のファミリーが完成! 新型ポルシェ「タイカン4」「タイカンGTS」の予約受注開始
ニューモデル
2024.11.13
「ポルシェ963」のサクセスストーリー! 「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ」が7つのタイトルを獲得
ポルシェ
2024.11.11
ポルシェ専門誌『ORIGINALE』が10周年に。記念号は、伝説の名車とそのオリジナルパーツの物語を100P以上で特集
ニュース&トピックス
2024.11.11
「マカン」が東京マラソン2025を先導!ポルシェジャパン、東京マラソンとのオフィシャルパートナー3年契約を締結
ニュース&トピックス
2024.11.07
愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?
複数社を比較して、最高値で売却しよう!
車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。
手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!
一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業不特定多数の業者からの大量電話をなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!
【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>