現在日本では、およそ80種類にもおよぶ魅力的なドイツ車が販売されており、エンジンタイプやグレードの違いを含めれば、その選択肢は無限に広がる。そんな中で、実際にどのモデルが一番オススメなのか? と悩まれる方も多いはず。そこで、多くの試乗経験を持つ『ル・ボラン』執筆陣にアンケートを実施。その集計結果により、総合ベスト10を発表! 一番オススメのモデルは果たして!?
全天候で愉しめる これがベスト・オブ・オープンスポーツ!
読み進めていただくとおわかりのように、718シリーズは、ベスト10内にケイマンとボクスターの両モデルがランクイン。その結果は、両車には類まれなるミッドシップスポーツとしての高い資質が備わっていることを物語る。ここでは、あえてオープンモデルであるボクスターを選ぶ価値について語っていただいた。
藤原よしお氏:「軽やかで小気味いい熟成が施されたフラット4」
特にオススメなモデル「718 ボクスターT」
昨今718ボクスター&ケイマンの評価が高いのは、ひとえに6気筒モデルがラインナップに加わったことが大きい。今やGT3以外の911では味わえなくなった、鋭いレスポンスでパワフルかつ、トルキーな4L自然吸気フラット6はやはり絶品。
ソフトトップを開け放ち、背後から響くフラット6サウンドに酔いしれつつ、6速MTでも7速PDKでも、コントローラブルなシャシーを駆使して走っていると「そうそう、これこれ」とつい頬が緩んでしまう。しかし、その一方で個人的に6気筒以上に注目しているのがスタンダードな4気筒の718ボクスターだ。
先代のパワー&トルクを上回っているにもかかわらず、その荒っぽいフィーリングとサウンドからデビュー当初は「レオーネみたい」と酷評された2Lフラット4ターボだが、いつの間にか改良、熟成が施され、レスポンス、サウンドともに見違えるように向上しているのだ。
しかも6気筒より11kg軽い物理的なメリットは明らかで、シャシーのトータルバランスは6気筒よりも上。どちらかというと、オープンのボクスターには軽やかで小気味のいい4気筒の方が似合っているとさえ思うほど。もはやエンジンを言い訳する必要はまったくなくなったベスト・オブ・オープン・スポーツカーである!
渡辺敏史氏:「自然吸気フラット6の鼓動感やサウンド味わえる」
特にオススメなモデル「718ボクスターGTS 4.0」
気づけばボクスターとケイマンに都合13年くらい乗っていました。前者は987型、後者は981型、共に2.7LのMTです。987世代でケイマンではなくボクスターを選んだ理由は、購入当時の中古車相場の差はもちろんながら、屋根をフィクスしたことによる高剛性化に伴っての、張りの強い乗り味が好みに合わなかったからです。
でも車台が刷新された981世代では当初からケイマンの企画は織り込み済みでしたから、乗り味はどちらも洗練されていました。実際、ケイマンに乗っている間、乗り心地には不満を抱くどころか、むしろ感心させられることの方が多かったと思います。
現世代でも公道やワインディングを走るレベルのところでいえば、ボクスターとケイマンとの間でドライバビリティの差は基本的にはありません。カタチの好き嫌いや用途に応じてお好みの方でどうぞという感じです。
で、今なら僕はボクスターを選びます。ただしグレードはGTS4.0一択。911だとGT3系でしか味わえなくなった自然吸気フラット6の鼓動感やサウンドを、どのクルマよりも臨場感たっぷりに味わえる。そんな贅沢を我慢することもなく毎日の時間の中に取り入れられる、その機会は確実に失われつつあるからです。
◆Specification「ポルシェ718ボクスター T」
全長×全幅×全高=4,385×1,800×1,280mm
ホイールベース=2,475mm
車両重量=1,380kg
エンジン種類/排気量=水平対向4DOHC16V+ターボ/1,988cc
最高出力=300ps(220kw)/6,500rpm
最大トルク=380Nm(38.7kg-m)/2,150-4,500rpm
トランスミッション=6速MT
サスペンション(F:R)=ストラット:ストラット
ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
タイヤサイズ(F:R)=235/35 ZR 20:265/35 ZR 20
車両本体価格(税込)=9,210,000円
問い合わせ先=ポルシェジャパン 0120-846-911
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