マツダCX-5は登場から4年間で実に5回目となる商品改良を行った。見た目の変更はわずかだが、エンジン改良やインフォテインメントシステムの刷新など、その中身は大きく進化を遂げていた。
改良型の進化の幅は想像以上に大きい
2017年2月発売された現行型のCX-5は、際立つデザインや高い質感と力強い走りを兼ね備えたオールラウンダーとして、世界中で人気を博し、2019年の総生産台数は約41万台を記録。これは、マツダのグローバル販売台数の4分の1を占める基幹車種のひとつだ。
今回のアップデートでは見た目に変化はない……。しかし、注目のポイントが普段目にしない中身に集中しているあたりは、いかにも近年におけるマツダの「商品改良」らしい。
まず従来型と異なるのはエンジンで、主力となる2.2Lディーゼルターボの最高出力が190ps/4500rpmから200ps/4000rpmに変更。高速道路への合流や追い越し加速シーンでのパワフルな走りを強化している。また、改良型ではアクセルペダルの操作力を最適化することで、加減速のコントロール性を改善している。
試乗する前は、わずかなパワーアップとアクセルペダルの改善だけで従来モデルとの違いがわかるかどうか不安だったが、3000rpm以上での回転上昇感に勢いがあり、全体的な動的質感の向上が一発で体感できた。さほど大きな改良ではないが、進化の幅は想像以上に大きいのだ。
室内に目を移すと、センターコンソールには拡大された10.25インチのインフォテイメントモニターが備わっている。これはLパッケージ、エクスクルーシブモード、100周年特別記念車が標準装備となる。さらに、すべての機種に車載通信機を標準設定し、コネクティッドサービスとスマートフォンアプリ「MyMAZDA」との連携による利便性の向上が図られている。すべての面でライバルを凌いでるとは言い難いものの、激戦のSUV市場で、新型CX- 5がどこまで存在感を高めてくれるのかに注目したい。
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