市場への導入は今年の初頭からを予定。今後ますます増加が見込まれるEVに柔軟に対応する充電インフラのソリューションのひとつに
フォルクスワーゲングループはこのほど、EVのバッテリーを自律走行・操作によって充電する「モバイルチャージングロボット」の実用化に向けたプロトタイプを公開した。このロボットは2021年初頭より、市場に導入される予定だ。
このロボットは2019年12月に発表されたもので、駐車中のEVのバッテリーを“勝手に”充電してくれる。EVユーザーは、その駐車場にクルマを駐めたときにバッテリーの充電を望む場合、スマートフォンにインストールされたアプリの操作によって、駐車場に待機中のロボットを起動。ユーザーがクルマから離れている間、ロボットは自律走行によって指定されたクルマに移動し、さらに給電ソケットの抜き挿しを含む操作を行なってくれる。
ロボットは自律走行・操作機能を備えたロボットと、電気エネルギー貯蔵デバイスに分かれており、自律ロボットが十分な電力を貯蔵しているデバイスを引き連れて指定されたEVに充電しに行く。貯蔵デバイスは最大50kWのDC急速充電を可能にするものだ。
自律ロボットには当然、カメラやレーザー、超音波センサーが組み見込まれており、駐車場内で移動する際の障害物を検知して接触を防ぐ。もちろん自律ロボットと貯蔵デバイスは、駐車場の規模に合わせて導入台数が調整可能だ。
このたびのプロトタイプ発表にあたり、同グループ企業のフォルクスワーゲン・コンポーネントのトーマス・シュマルCEOは次のように述べている。
「ユビキタスによる充電インフラストラクチャーは、電動モビリティの成功に重要な要素です。私たちのモバイルチャージングロボットは、いくつかのアプローチのひとつに過ぎませんが、間違いなく最も先見の明のあるもののひとつと言えるでしょう」
このモバイルチャージングロボットを導入することにより、駐車場の運営者は現在の設備を大きく変更することなく、速やかに「電化」することが可能となる。これは潜在的なコストの削減を意味する。
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