『西部警察』仕様になる前のお姿、アオシマ製「R30スカイライン」前期型!名作キット列伝・第2回【CARSMEETモデルカー倶楽部】

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ドア内張りはなぜか4ドア!?

第1回ではオオタキ製パルサーEXAを採り上げた当「名作キット列伝」だが、続く第2回では、アオシマ製のスカイラインRS、前期型ノーマル仕様をご紹介したい。

【画像21枚】いろいろと興味深いキット内容を細部まで見る!

キットについて触れる前に、実車について軽く述べておくこととしよう。プリンスから日産の看板車種となったスカイラインは、1981年8月、5回目のフルモデルチェンジで六代目・R30型系へと進化した。スカイラインはそれまで、4気筒モデルと6気筒モデルでフロントノーズの長さを変えていたものだったが、この世代ではボディが統一され、その差がなくなったのが特徴だ。ボディ形式は4ドア・セダンと2ドア・ハードトップ、そして新たな試みとして、スカイライン初の5ドア・ハッチバックも用意された。

搭載エンジンは、GT系は直列6気筒2LのL型、TI系は直列4気筒1.8L/2LのZ型サスペンションは前ストラット/後セミトレ(TI系は4リンク)で変わりなく、伝統のメカニズムとしていよいよ熟成を極めている。登場2ヶ月後、ライトバンがエステートの名でラインナップに加わるのと同時に、硬派なスポーツグレードであるRSを、2ドアおよび4ドアに新設。これはスカイラインGT-R以来8年ぶりのDOHC搭載モデルであったが、搭載されたFJ20エンジンは6気筒ではなく4気筒であったため、「GT」を名乗らなかったものと言われる。

この後RSにはターボ、インタークーラー付きターボが順に追加され人気を高めていくのだが、それについてはここでは省略しよう。1980年代に相応しい斬新なスカイラインとして人気を呼んだR30だけに、当時多数のメーカーからプラモデルが発売された。現在もたまに再販されたり、あるいは現役であり続けている印象のキットがある一方で、当時モノでしか鑑賞することのできない製品もいくつかある。アオシマの前期R30ノーマル版は、そんなキットのひとつなのだ。

R30の金型をいくつも製作したアオシマ
六代目スカイラインのキット化はやはり1/24スケールでのものが多く、タミヤやフジミ、日東、オオタキ、ニチモ……といった各社から当時発売された。RSだけでなく、ボディを共用してGT系のモデルもリリースする例が少なくなかったが、特にタミヤは、4ドア・セダンと2ドア・ハードトップの両方を製品化していた。しかしそんな中で、最も多くの金型を起こしたのはアオシマであろうと思われる。

同社が最初にリリースした1/24キットは2ドア・ハードトップのRSとターボGT-E・Sだが、これはさほど時間を置かず『西部警察』のマシンRS仕様に改修された。同シリーズでマシンRSがマシンRS-3に改修されると同時に、RS-1/RS-2用にはまた別の新たな型を起こしている。そして後期型・鉄仮面のキットもリリース、これは当時はエンジン付きのキットだったが、いつの頃からかエンジンなしでの再販しか行われなくなったようだ。

アオシマでは、さらにスーパーシルエットのスカイラインもキット化しているほか、1/32スケールでも『西部警察』仕様としてマシンRSを製品化。こちらもドラマ内の変化に応じてマシンRS-1~3をラインナップするに至っている。

いささか回り道を続けてしまったが、今回採り上げるのは、アオシマが「最初にリリースした」と上で述べた、その前期型ノーマル版である。現在、手元に確かな資料がないのではっきりしたことは残念ながら言えないのだが、おそらく1982年前半あたりにリリースされたものであろう。当時アオシマは定価800円のチューニングカー・シリーズをすでに手掛けていたが、1/24スケールの新型車のキットは、これとは別にちょっとお手頃な定価500円という設定で、初代ソアラを皮切りに製品化を行っていた。

このシリーズは二代目セリカXX、そしてR30と続き、初代ピアッツァも発売が予告されたが、これは実現せずに終わった。そんなわけで、ソアラとXXは今でもノーマル状態のまま再販が行われている。R30はRSがシリーズNo.5、ターボGT-E・SがNo.6としてラインナップ、ここでお見せしているのはターボGT-E・Sの方だ。価格は600円となっているが、シリーズ自体が途中で値上がりしたのか、スカイラインのみがこの価格設定だったのかは定かでない。

アオシマのマシンRS-1~3は、前述の通りそれぞれ基本パーツを別々に設計しているらしい(RS-1と2ではボディの基本形は同じようだが)ため、このノーマルR30の内容を細部を変えつつ引き継いでいるのは、マシンRSの改修版であるマシンRS-3のみとなる。RS-3のキットを手元にお持ちの方は、当記事の画像とよく見比べてみるとまた面白いのではないだろうか。

なお、最後におことわりしておくと、今回撮影した個体には説明書が不足していた。そのためキャプションでの解説は、パーツを見て分かる範囲の内容に留めてある点、ご了承いただきたい。

写真:秦 正史

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