シリーズ中盤を支えた、エアロもまだ控えめなRS
放送終了から約40年が経過しているにもかかわらず、今なお高い人気を誇り、そればかりでなく新たなファンをも獲得している刑事ドラマ、『西部警察』シリーズ。そこに登場するスーパーマシンの数々はアオシマからプラモデルとなり、『西部警察』ファンであるモデラーにとっても心強い味方であり続けてきた。
【画像27枚】フロントエアダムその他細部まで、期待の高まる加工作業を見る!
アオシマのサイトによれば、『西部警察』のシリーズは2014年から2015年にかけて再販が行われたのが最後のようだが、この記事を今読んでいるあなたの積みプラモの中にも、スーパーZやマシンXなど、『西部警察』スーパーマシンのキットはあるのではないだろうか。そんなスーパーマシン、そしてアオシマによるプラモ化の中でも抜群の人気を誇ってきたのが、R30型スカイラインをベースとしたマシンたちだと言えるだろう。
ドラマにおいては、『西部警察PART-Ⅱ』の途中からマシンRS(デビューから約1年後、ターボ追加前のスカイラインRSがベース)が登場したのだが、これが『西部警察PART-Ⅲ』になってからRSターボがベースのマシンRS-1/2台が加わり、それまでのマシンRSはマシンRS-3としてリニューアルされ、以後、番組終了まで3台のRS、所謂RS軍団が活躍したのである。
アオシマではドラマの本放送当時から『西部警察』のプラモデルを発売していたので、同社の1/24キットでもまずマシンRSがリリースされ、RS-1/2の製品化を機に、マシンRSをベースとしてRS-3が作られている。
RS-1や2とはまた微妙に異なった造形となる、アオシマ製キットのRS-3のボディ。基本的にはR30のイメージをよく捉えているのだが、少々角ばりすぎの印象も否めない。
アオシマ1/24のマシンRSはマシンRS-3に完全に改修されたわけではなく、変更点は追加パーツで補う形となっており、並行して発売されてきたのだが、21世紀になってからはマシンRSの方は再販が行われていないらしく、永らくご無沙汰となっている。そこで今回は、マシンRS-3のキット(スーパーディテール版・2012年)をベースに、マシンRSへと戻し、さらにそこへディテールアップも適宜盛り込みつつ制作してみることとした。今回より数回に分けて制作の様子をお伝えしたい。
フロントエアダムがスリムな初期のマシンRSとして作ってみよう
さて、アオシマ1/24マシンRSは、最初からそれ用に設計されたキットではなく、ノーマルのR30型スカイライン(RSとGTがあった)をベースに改修されたものである。R30のプラモ化の中ではベストなプロポーションという評価もある名作なのだが、実車デビュー直後にリリースされた製品だけに、今の目で見ると造形が固い感じの部分も若干見受けられる。これはその後の後期型RS(鉄仮面)とは別の形をしており、RS-1やRS-2もこれとは別の金型だ。
また、ドラマの中での姿をしつこくチェックしてみると、実車のマシンRSは、途中でフロントエアダムに変更が加えられているようである(RS-3への改修のことではない)。アオシマ製キットはいわば後期のマシンRSをキット化しているように思われるので、これも初期の(スマートなエアダムの)マシンRSとして作ってみることとした。今回は以上のような点の改修作業をお見せしていくので、その詳細については工作中写真のキャプションをお読みいただきたい。