歴代シルビアのコレクションには欠かせない1台
1999年に登場したS15シルビアは、先代S14で3ナンバーに肥大したボディを再び5ナンバーサイズに戻し、スポーティなスタイリングを採用して人気を回復した。1999年の東京モーターショーには、オーテックジャパンと高田工業が共同で開発した、電動メタルトップのコンバーティブルが展示されたが、これを翌年に生産化したのがヴァリエッタである。NAエンジン搭載のスペックSがベースで、ルーフとリアデッキ以外の外装ディテールは、標準型クーペと全く変わらない。
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S15シルビアの1/24スケール・プラモデルにはフジミとアオシマの2社によるものがあるが、丸みが強調されてボテッとしたフジミに対し、アオシマはシャープでスマートな印象だ。今回はアオシマをベースに、ボディとインテリアの一部を改造してヴァリエッタを再現した。
ヴァリエッタは、リアデッキとリアフェンダー上半分の造形がクーペとまったく異なるので、単純に屋根を切っただけでは作れない。スジ彫り用のタガネとエッチングソーを使って、ルーフ前端部とCピラーを根元で切断し、リアデッキとフェンダーの造形は、0.5mm厚のプラ板とポリエステルパテを併用して行った。
キットのルーフを活用しつつ、ガラスは一部ペットボトルで
まずキャビン開口部の後端の枠を作り、そこからプラ板で切り出したリアデッキの基準面を、元のトランクリッドの上に被せるようにして接着、リアフェンダー上半分の曲面形状をパテで造形していく。実車のリアデッキの寸法を直接測ったところ、リアガラス下端からリアデッキ上面後端のエッジまでがちょうど100mmあり、これをスケール換算すると約42mmだが、アオシマのボディとの整合性を考慮して、模型では41mmとした。
切り離したルーフを改造してメタルトップを作り、ガラスパーツも4面バラバラに切り離して再利用した。リアウィンドウはヴァリエッタの方が小さいので、クーペのガラスから切り出せば、熱線デフォッガーのモールドをそのまま生かすことが出来る。リアクォーター窓は、ペットボトルからちょうど良い曲面の部分を切り出して、取付けた。
インテリアはリアシェルフを切り落とし、リアシートの背もたれをプラ板とプラ棒で自作、周辺のトリムを追加して辻褄を合わせている。シート脇の下の方はクーペのままなので実車とは若干違っているが、目立たないのでそのままにした。
改造部分以外の制作上のポイントとしては、前バンパーの合わせを挙げておきたい。後端が開いてしまっていて、そのままではボディとツライチにならないので、コーナー部の下端裏側に切り込みを入れてグイッと曲げて合わせた。また、バンパー側面のミゾ状のプレスラインが省略されているので、スジ彫り用タガネとPカッターで彫り込んだ。
塗装前にバンパーをボディに一体化すると、ヘッドライトやラジエターの取り付けもやりづらくなるが、外観重視の方が良いだろう。また、前後サスペンションはスプリングで可動するが、後輪はガタ付きが大きく足が決まらないので、接着固定した。
クーペのオープン化工作としては、ちょっとばかりハードルが高く感じられるヴァリエッタだが、歴代シルビアをコレクションする上では欠かせない1台である。ぜひトライしていただきたい。
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