ここでボディを切断…って何をする気だ!?旧グンゼ製ハイテックモデル「ジャガーEタイプ」を地道に作ってみる・第12回

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ドア開閉化のための切り離しに非ず

グンゼ(現GSIクレオス)製ハイテックモデルのジャガーEタイプを作っていくぞというこの連載、前回はタイヤ/ホイールを取り付けての仮組みまで辿り着いたが、今回はそれを受けての工作である。

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……と言っても、前回書いたような、フロントの車高を上げる工作ではない。それはそれで気になるのだが、もっと気になるのがリアのトレッドである。トレッドと言うより後輪の引っ込み具合いと言った方が的確かもしれない――要するに後輪がもっと内側に入らないと……ということだ。もっともこれは前回書いたように、仮のホイールでやっているのだからあまりここで気にしても仕方ないことなのだが、違う観点から気になるのである。つまり、ボディの幅が狭いのだ。

これは実はすでに、第1回の画像キャプションでも指摘していた。ボディ後半が痩せすぎているので、追って修正したい、というようなことを、ホイールアーチ形状の修正とともに予告している。しかしそのあと、ボディ後半の幅を増すのではなく、上下(つまりリアフェンダーのショルダー部分と、オーバーハング下部)を削り込んで、断面形に丸みを出すことで対処すればよいのかもしれない……と気が変わり始めていた。

ところがやはり後輪が付いてみると、ボディ幅自体が足らないのではないかという気になってきたのである。なぜかというと、仮組みした後輪でのトレッドが、実車寸法の丁度1/24になっていたからだ。トレッドは正しいのにタイヤの引っ込み具合いが足らなく見えているのなら、それは当然ボディの幅が狭いのである。

ボディの幅が狭い、痩せている、というのは、繰り返しだがボディ後半、具体的にはドアの途中あたりからの話だ。グンゼのEタイプは、全幅自体は実寸の1/24より1.7mmほど広い。ただしこれはノーズの途中(前輪のあたり)でのことで、それより後はぐーっと幅が狭まって、そのままリアエンドまで到達しているのである。ボディを真上から見ると、極端な後ろ窄まりの形なのが分かる。実車の真上からの写真を探して見てみると、たしかにそういう傾向のある形ではあるのだが、グンゼのボディほど極端ではない。

タイヤを取り付けて仮組みした前回の写真。この通り後輪の引っ込み具合いが足らず、Eタイプらしさに欠ける。ボディ自体も後半から側面の丸みが足りなくなっているので、どうにも四角い形に見える。

なるべくやり易く、しかも確実な方法を考えて
ではこれをどうやって直すか……当初はボディ側面に細長くプラ板を貼って幅を増し、その上下および前後を滑らかに元のボディの面につなげる、というやり方をぼんやりと考えていた。しかしこれは、その「面をつなげる」という作業がかなり面倒なのである。そこで考え直したのは、ボディに切り込みを入れてプラ板を挟み込み広げて、上下部分は削り込むという方法だ。

これでやろうとほぼ決めかけたのだが、ちょっとどうかなと引っかかる部分があった。元々、ドアを一旦切り離すという作業をいずれ途中で行うつもりだったのだが(断っておくとドア開閉化ではない。別の理由である)、そうであれば、ボディ後半は先に切断してしまった方が加工がやりやすいのではないか、ということである。

……という訳で今回は、ボディ後半を切り離し、こちら側のみ先にボリューム感を増す作業を行ってみた。もちろん、追ってドア部分も加工して、面がつながるように改めなければけない。面倒ではあるが、このように作業していった方が、側面の断面形を的確に修正できるのではないか、という気はしてきている。

作例制作・写真・文章:秦 正史

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