リアスタイルが超絶イカす70sアメリカン!MPC/AMT製プラモから「1974年型プリマス・サテライト」を再現【モデルカーズ】

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ミッドサイズ・プリマスのスポーティモデル

1960年代のプリマスのマッスルカーと言えばGTXやロードランナーが有名だが、そのどちらもが、サテライトの2ドア車をベースとしていた。サテライトは1960年代中盤よりプリマスの中枢をなしたインターミディエイトで、上級版をサテライト、下級版をベルベディアと称していたが、1971年型でのフルチェンジの際に、ベルベディアの名は消滅している。

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この1971-1974年型のサテライトでは、ボディバリエーションは4ドアのセダンとワゴン、2ドアのハードトップとクーペが用意されており、セダンとワゴンがホイールベース117インチ(2972mm)なのに対し、2ドアは115インチ(2921mm)である。なお、クーペとハードトップの違いはBピラーの有無ではなく、クーペの場合はリアクウォーターウィンドウが固定となることで、これが2ドアの最廉価モデルとなる。また2ドアは、セダンのイメージを残しつつも完全に異なるスタイリングを採用していたのが特徴である。

4ドアと2ドアは、どちらもコークボトルラインと前後埋め込みバンパーを基本としており、またテールランプをバンパー組み込み式としていたが、2ドアの方はフロントグリルとバンパーが一体で、全体的なプロポーションもクサビ型をなしていた。1973年型で2ドアのフロントフェイスは、四角いライトベゼルとグリル、直線的なバンパーで構成された常識的なデザインに変更されており、1974年型もこれを引き継いだものとなっている。

2ドアのグレードは下からサテライト・クーペ、サテライト・セブリング、サテライト・セブリング・プラス、ロードランナー、GTXという構成だったが、1971年型を最後にGTXは消滅。ただし1972-1974年型のロードランナーは、オプションの440-cid(7.2L)エンジンを搭載するとロードランナーGTXと呼ばれた。1974年型のエンジンは、225-cid(3.7L)の直6(105hp)、318-cid(5.2L)のV8(150hp)の2種類。さらにV8は360-cid(5.9L、200hp)と400-cid(6.6L、205hp)のふたつがオプション設定されていた。

エンジンフードなどを改めサテライトに変更
作例で使用したキットは、2005年頃のAMT製1974年型GTX(キットNo.38157)。実はこれは旧MPC製の再販で、かつて(新車当時)は1974年型ロードランナー(7425)として出ていたものだが、その後1983年に再販されたものではロードランナーではなくGTXとなっている(0871)。ロードランナーとしての再販にはワーナーの版権が必要となるから、おそらくその関係での変更であろう。パッケージのモデルはまさに旧MPC製キットを完成させたものと思われる。本来このキットは1974年型「ロードランナーGTX」となるべきだったのではないだろうか。

このAMT製キットの時点でもそれは引き継がれており、作例としては、そのロードランナーGTXを再現したいところでもあったが、キャラクターマークやストライプを再現するための資料やデータが不足しているので、1974年型サテライトとしてみた(注:この作例が誌面に掲載されたのち、MPCブランドから「ロードランナー」としての再販は実現している。版権については完全にクリアしたのであろう、パッケージにキャラクターもあしらわれていた)。

ボディ自体に手を入れる必要はなく、改造は主にエンジンフードのみ。パワーバルジを取り除いて、中央にプレスラインを再現し、ルーバーの位置と大きさを変更した。シャシーは位置決めのため隔壁を追加、車高とトレッドを自然な位置に調整。付属の純正ラリーホイールはリムの一部が欠けていたので、別のキットからマグナムホイールを流用し、タイヤもひと周り大きなものに交換した。ルームミラーはステーの長いものに変更、サイドミラーは実車の形状に近いメッキタイプに改めている。

ボディカラーは1974年型の正確な色を確認できなかったので、1973年版のカラーチャートからAmber Sherwood Metallic(カラーコードF3)を選んだ(注:1974年型でのグリーン系の色はFrosty Green Metallicと思われるが色調はかなり異なる)。クレオスのC6グリーンにC8シルバーを加えて、少量のC66デイトナグリーンで調整したもので塗装。スーパークリアーⅡをオーバーコートして研ぎ出した。インテリアはC92セミグロスブラックとC33フラットブラックによる塗り分けである。

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.126より再構成のうえ転載

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