ボクらのヤングタイマー列伝:第18回『日産エクサ』2種類のボディスタイルを選べる交換式ハッチ! 特にキャノピーの異形感は必見!

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遠藤イヅルが自身のイラストともに1980年代以降の趣味車、いわゆる”ヤングタイマー”なクルマを振り返るという、かつて小社WEBサイトでひっそり!? 連載していた伝説の連載、その進化版がこの『ボクらのヤングタイマー列伝』です。今回は国産車にすべく、まだ登場していない日産をセレクト。Z32? ノー!R32GT-R? ノー! S13シルビア? ノー!! エクサです! ビバ、キャノピーですヨ!!

ボクらのヤングタイマー列伝第17回『オペル・カリブラ』の記事はコチラから

さっぱりとしたデザイン、室内の開放感、そしてキャノピーの異形感に惚れ込んでしまいました!

日本車は車種、車名が多いので、時間が経つと忘れられてしまうクルマも多いかと思います。しかしそんな中でも”ああ! あったね! 懐かしい!”と、ふと思い出すクルマってありますよね。『日産エクサ(EXA)』はまさにその代表格かもしれません。というわけで今回のチョイスは日産エクサでございます。

初代エクサは2代目パルサーのクーペ版、パルサー・エクサとして1982年に登場しました。パルサーのデザインテイストを生かしつつ、切り立ったCピラー、長めのノーズ、リトラクタブルライト、ポルシェ924ターボのようなインテーク等が与えられ、印象に残るモデルでした。当時のボクは10歳ながら、赤/黒ツートンのカッコよさに衝撃を受けたのを覚えています。でもやはりエクサといえば車名が日産エクサとなった2代目が本命! 同じパルサー・ファミリーの一員ながら、欧州感を押し出したパルサーとは異なり、エクサは北米感が強いクリーンなスタイリングが特徴で、ダッシュボードのデザインまで変えてあることなどからも、車名だけでなく、クルマ自体もパルサーから独立したことを強く感じさせました。

そのスタイリングを担当したのは北米の日産デザインスタジオ、NDI。初代テラノ、Z32型のフェアレディZなどをデザインしています。エクサの大きなトピックはボディ後半のハッチ部分が2種類あったことで、ひとつは一般的なクーペスタイルの『クーペ』、もうひとつは切り立ったテールでシューティングブレークのような姿となる『キャノピー』でした。日本では法的な問題で別々のモデルとして発売されましたが、北米では実際にハッチ部分が互換可能だったのも話題になりました。日本仕様でも取り外し自体は可能だったため、このクラスでは珍しかったTバールーフも取り去ってしまえば開放感は抜群。開放的なアメリカ西海岸風の雰囲気も楽しむことが出来たのです。

2代目エクサのデビューは1986年、発売終了は1990年です。ボクはと言えば当時高校生ですっかりクルマに夢中になっていて、高校のそばにあった荻窪の日産複合ショールーム『アプリーテ』に学ランのまま、最低でも週1、多い時は週2〜3回通い詰めて実車を触り、カタログを集めていました。特にエクサは、さっぱりとしたデザイン、室内の開放感、そしてキャノピーの異形感に惚れ込んでしまいました。

残念ながらエクサは商業的にあまりうまくいきませんでしたが、今でもたまに中古車サイトに出てくるのを見ると、あの頃の”好きだった子エクサでデート”のような甘酸っぱい妄想(笑)や憧れを思い出します。もし今買ったら、iPhoneに1980年代のお気に入りソングを詰め込んで、エクサのカセットデッキにiPhoneの曲を流せるアダプターを突っ込んで、ハッチを外してドライブ行きます! あの頃の妄想どおりに、茅ヶ崎〜鎌倉の134号線を!

カー・マガジン473号より転載

この記事を書いた人

遠藤イヅル

1971年生まれ。東京都在住。小さい頃からカーデザイナーに憧れ、文系大学を卒業するもカーデザイン専門学校に再入学。自動車メーカー系レース部門の会社でカーデザイナー/モデラーとして勤務。その後数社でデザイナー/ディレクターとして働き、独立してイラストレーター/ライターとなった。現在自動車雑誌、男性誌などで多数連載を持つ。イラストは基本的にアナログで、デザイナー時代に愛用したコピックマーカーを用いる。自動車全般に膨大な知識を持つが、中でも大衆車、実用車、商用車を好み、フランス車には特に詳しい。

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