代官山Tサイトで「モデルY」初の試乗会を開催!
6月10日に国内でも注文受付を開始した「テスラ モデルY」。すでに多くの受注が集まっているとのことであるが、この「モデルY」初の試乗イベントが8月31日より代官山T-SITEにて実施されており、会場にて一足早く体験させてもらった。
テスラ・モデル3をベースに、SUVに仕立てたモデルYだが、一見するとモデル3のSUV版というよりモデルXをふた回りほど小さくした印象だ。スリーサイズは全長4751×全幅1921×全高1624mmで、1.9m超えの全幅はさすがに北米由来を感じさせるが、それ以外はミドルSUVクラスのサイズゆえ、都内でもさほど気を遣わずに運転することができるだろう。実際に代官山近辺のやや狭い道路も走行したが、取り回しも良くストレスなくドライブすることができた。
一方でモデルYの最大の特徴となっているのが、フロントとリアを合わせて最大2100L以上のスペースを備えるという積載性だ。5人乗り乗車の状態でも、リアのラゲッジスペースは971Lと広大。アウトドアやレジャーに出かける際も十分すぎるほどの容量が確保されている。
運転席回りのデザインは、他のテスラモデル同様、物理的スイッチを廃した超シンプルなレイアウトが新鮮に映る。ダッシュボードセンターには、15インチのタッチ式マルチディスプレイが備わり、オーディオやエアコンといった基本的な機能はもちろん、ドアミラーや荷室、グローブボックスの操作もすることが可能。また車両の周囲をカメラでモニタリングすることで、前方を走行する乗用車やバイク、トラックをはじめ、側方を通過する自転車や工事中のパイロンなどなど、様々なものを表示してくれるのがありがたい。
今回試乗したのは車両本体価格が643万8000円~のRWDモデルで、こちらは最高出力220kW、最大トルク350Nmを発生すモーターで後輪を駆動し、0→100km/h加速6.9秒という俊足ぶり。一充電当たりの航続距離はWLTCモードで507kmと実用性も十分だ。ちなみにデュアルモーターを搭載したパフォーマンンスモデル(833万3000円~)は、最高出力がフロント/リア:158/235kW、最大トルクが同240/450Nmで、0→100km/h加速は3.7秒、航続距離は595kmをマークする。
試乗会場となった代官山T-SITEには、テスラ用のスーパーチャージャーが4基用意されているが、充電時はコネクターを充電口に近づけでスイッチを押すと自動的に開き、差し込むだけで充電を開始。一般的な充電設備のように、カードをかざしてタッチパネルを操作する行程が必要ないのも便利なところだ。
早速走り出してみると、まず気が付くのが静粛性の高さだ。これはEVが持つ特長ではあるものの、モデルYではフロント回りに加え、後席のウインドウも二重ガラスを採用していることで、室内へ侵入してくるノイズを遮断していることが大きいだろう。後席の人の声も聞き取りやすく、これなら会話も弾むというもの。今回は試しそびれてしまったが、この二重ガラスとルーフガラスの効果で、特段プレミアムオーディオシステムを装備していなくても、音響性能はすこぶる高いという。
そして、前方が空いたところでアクセルペダルを踏みこんでみると、すぐさま身体がシートに押し付けられるような力強い加速を披露してくれる。しかもその加速フィールは、体感的には0→100km/h加速6.9秒というスペック以上の印象。街乗りだけでもパフォーマンスの高さを存分味わうことができた。
一方で乗り心地も快適。荒れた路面では、時折リアのコツコツ感がやや気になることもあったが、突き上げが大きいわけではなくアタリそのものはソフトなので、さほど不快に思うことはないだろう。ちなみに試乗車のRWDモデルには19インチのハンコック製EV用タイヤが装着されていたが、20インチはミシュラン、21インチはピレリのいずれもEV用タイヤが装着されるとのこと。こちれの乗り味も今後チェックしてみたいところだ。
こうして30分程度ではあったものの、そのポテンシャルが大いに体感できた今回の試乗。これまでモデルS&モデル3のセダンで、SUVのモデルXは価格と大きいボディサイズで敬遠していたユーザーにとって、レジャーでの使い勝手がこのクラスではコストパフォーマンスの高さもアドバンテージとなっているゆえ、人気モデルとなるのは間違いないことであろう。