軽さは正義――⁉ 電動化へ向かういま、あえて内燃機関だけでパフォーマンスを追求するライトウェイトスポーツを召喚!

軽量指向の2台は方向性の異なる楽しさ

当然ながら”軽さは正義”の恩恵をもっとも受けていたのは、ロードスター990Sだった。そもそもロードスターは軽量化に関してはやり尽くしていて、実をいうとベースとなったSグレードでも車重は990kg(MT)でしかない。990Sとするにあたってさらに軽くする手法はもはや材料置換くらいしかなく、大型ブレーキを装備しつつ、鍛造ホイールを標準とすることでバネ下を合計3kg、やっと削ることに成功した。実際には987Sというわけだ。

1989年に登場して大ヒット、世界中にコンパクトなオープンスポーツカーを復権させたロードスター。ロングノーズ&ショートデッキのトラディショナルなスタイルが映える。1トンを切った車重のメリットは絶大だ。自分で操る楽しさは随一だ。

オープンデフの990Sでは、この足元の軽さとKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)+ブレーキLSDのおかげで、左右輪において回転数差の出るような速いコーナリング領域でもリアは落ち着いていて、とても”安心”して踏み込んでいける。リアの浮きが抑制されて不安が明らかに減っているから、非力なエンジンパワーを目一杯使ったコーナリングが楽しみでならない。

伝統的にロードスターの動きは古典的なFRそのもので、フロントの上下動をしっかりコントロールする楽しさが如実に残っている。クラシックスポーツの醍醐味を現代によく伝える貴重な存在だ。

半世紀前のA110はリアエンジン車だったが、新生A110はミッドシップを選択した。今回のメンバーのなかでは、唯一マニュアルトランスミッションの設定がない。

A110には軽量スポーツカーのクラシックな魅力と、現代的なGTの洗練された落ち着きが高いレベルでバランスされていた。スポーツドライビング中には”軽いクルマ”な印象が常につきまとっている反面、リアミドシップということもあってロードスターよりも全般的に路面に近く、這うようにコーナーをクリアする。

今回はSというアシを固めた仕様だったため、街中や高速道路では路面の状態に忠実は動きをみせ、ちょっと辛いと思うこともあったが、そのぶんワインディングロードではまさに水を得た魚。十二分なエンジンパワーとDCTの電光石火な変速が相まって、4台のなかではもっとも刺激的だった。クルマから降りてもスキップしたくなるほど気分が浮きたった。

唯一の2ペダル。回して楽しいエンジンかというとそうでもない。街中でのボロンボロンという音も無粋。ならば、強くしなやかなボディ&シャシーの性能を存分に楽しむという意味でも2ペダルの方がお似合いだろう。

フォト=神村 聖/S.Kamimura ルボラン2022年9月号より転載

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