パリ発信のフレンチラグジャリーブランドとして復興を担うDSオートモビルのフラッグシップDS9。伝統的装飾技法で誂えたエクステリアとインテリアをはじめ最先端テクノロジーを纏った、堂々とした体躯とスタイリングは、唯我独尊の世界でもある。ならば比較するならまさにこの2台!?
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ガソリンとPHEVでセンスよい棲み分けに成功
DS9はEMP2と呼ばれるプラットフォームを共有した3ボックスのセダンで、同じグループ内ではプジョー508と素性が近いが、ホイールベースを95mm延長している。リアの居住性と乗り心地の向上を狙ったと考えるのが妥当で、ショーファードリブン的用途も視野に入れて開発されたのだろう。つまりDS9は”快適性”が設計要件の優先順位の上位に掲げられたクルマだと理解している。
日本仕様のパワートレインはガソリンの1.6Lの直列4気筒ターボと、同じ1.6L直4ターボにモーターを組み合わせたPHEVである。エンジン自体のパワースペックは前者が225ps/300Nm、後者が200ps/300Nm。PHEVはこれにモーターによる110ps/320Nmが上乗せされる。HVやPHEVのシステムパワーというのは単純にエンジンとモーターの出力/トルクを足した数値にはならないが、それでもPHEVのほうがパワフルであることに間違いない。
PHEVのエンジンスペックはガソリン仕様と微妙に異なっている。最高出力は25ps低く発生回転数は500rpm高いし、最大トルクの数値自体は同じでも発生回転数がガソリンの1900rpmに対してPHEVは3000rpm。もちろんこれはモーターによるアシストを考慮した設定である。
このPHEV、なかなか複雑な機構になっている。欧州のハイブリッドはオートマチック・トランスミッションのトルクコンバータをモーターに置き換えるのが常套手段で、トルクコンバータを持たない湿式多板クラッチ式のATとの相性は悪いとされている。ところがDS9の(あるいはステランティスグループの)PHEVはエンジンと湿式多板クラッチの間にモーターをもぐり込ませている。この方式だと、EVモードを成立させるためにエンジンとモーターを切り離すためのクラッチが必要となるため部品点数が増えパワートレインのサイズが拡大し重量が増え制御も難しくなる。それでもあえて難儀な手段に出たのは変速のダイレクト感や切れ味にこだわったのだろう。長年(そしていまでも)MTに馴染み深い欧州市場を意識したからと推測できる。
発進時はモーターを使いやがてエンジンが始動するときの繋がりは極めてスムーズだ。その後も状況に応じてモーターのアシストを受けるが、駆動状態を示すモニターを見ないとモーターのオンオフはほとんど分からない。しかるに駆動力変化によって運転のリズムが乱されることがないのである。
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