転倒続出!! 「無限シティ・ターボII R」のワンメイクシルエットは本気とパロディの狭間レーサーだ【モデルカーズ】

全ての画像を見る

トールボーイ・スタイルの新感覚コンパクトカーとして1981年秋にデビューし、大ヒット作となった初代ホンダ・シティは、高い実用性や洒落たデザインに加えて、活発な走りも売りのひとつだった。矢継ぎ早なバリエーション展開で話題性を持続する販売戦略により、82年9月にノーマルボディのターボⅠが、83年11月にはワイドボディのターボⅡが追加された。

背の高い箱型ボディの足周りを固めて110psの強心臓を押し込んだターボⅡの走りには、破綻ぎりぎりで纏めたような危うい魅力があり、若く血の気に溢れた多くのドライバーを魅了した。81年からノーマル・シビックのワンメイクレースを開催してきたホンダは、84年からN2仕様シティ・ターボの投入を決定、前年秋のターボⅡ発表と同時に、レース専用車ターボⅡ Rを公開した。

アマチュア・レーサーにも扱いやすいようにフルN2スペックより若干控えめなチューニングながら、レース専用のカムやウェイストゲート、インジェクターなどを装着して138ps以上と充分にパワフル、足周りも大幅に固められF3用スリックタイヤを装着していた。ムーンクラフトがデザインしたボディは、当時大人気となっていたシルエットフォーミュラのエッセンスを取り入れたもので、初年度はイベント全体のヴィジュアル統一を図って全車同一グラフィックの色違いで車両が製作された。

レース車両はターボⅠベースとターボⅡベースが混在していたが、すべて共通のチューニングで、性能的な違いは無かったようだ。実際のレースはキュートでカラフルな車両のルックスとは対照的に、接触や転倒が続出する激しいものとなり、コアなレースファンだけでなく一般メディアの注目も大いに集めた。

シティ・シルエット専用に起こされたアオシマのキット

アオシマのシティ・シルエットは実車現役当時にリリースされたキットだが、既存のターボⅡロードカーと共通なのはシャシー本体と透明部品のみで、大半の部品がシルエット専用に起されている。

シャシーにはモーターライズの痕跡が残るが、ローダウンされた足周りや小径スリックタイヤ、サイド出しエキゾーストが再現され、インテリアもロールケージやバケットシート、消火器、安全タンクなど、レーシングカーならではのディテールが揃っている。今回、久々の再販に際してデカールがリニューアルされ、初年度に出走した1~11すべてのゼッケンが再現可能になった。

オレンジの11号車はツインリンクもてぎのホンダ・コレクションホールに動態保存されている現存個体だが、ホイールや一部ステッカーは当時のレース出走時とは違っているようだ。作例はこの現存車を参考にしつつ、当時の仕様に近付け細部の解像度を上げる方向で制作した。

なお、初年度に作られたレースカーはすべて白のロードカーをベースにしていたようで、赤、青、緑、黄、ピンクなどいずれの外装色でも、室内のパネル露出部分とシャシーは白となる。またダッシュボードやドアトリムの色は説明書では青だが、ターボⅠ/Ⅱの内装色は青と黒の2種があり、当時の試乗記事の写真によると、オレンジの個体の内装は黒である。

フォト=服部佳洋 modelcars vol.291より再構成のうえ転載

■関連記事

AUTHOR
2022/06/17 14:00

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業不特定多数の業者からの大量電話をなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!