21世紀のランボルギーニ快進撃はここから始まった
ムルシエラゴは、ディアブロの後を継いで2001年に登場した、ランボルギーニのフラッグシップモデルである。ランボルギーニの1990年代を支えたディアブロは、親会社クライスラーの下その影響を色濃く受けて造られたモデルだったが、2000年を目前にしてランボルギーニはアウディの傘下へと移った。ムルシエラゴは、アウディの肝いりで開発された初めてのモデルということになる。
サイズはディアブロより拡大され、ボディラインはふっくらとした量感のあるものとなったが、シャープなフロント周りはステルス戦闘機からインスパイアされたものらしい。カウンタック、ディアブロと受け継がれてきたシザードアも健在だ。ミッドシップに搭載されるエンジンは、ディアブロのものを改良して排気量アップしたV12 DOHC 6.2L。最高出力は580hp、これに6速MTが組み合わされる。エンジンは潤滑方式の変更(ドライサンプ式)により、搭載位置がディアブロより50mm低くなったという。
駆動方式は、後輪駆動と四輪駆動の両方をラインナップしたディアブロの後を受けて、ムルシエラゴでは四輪駆動のみとされた。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン。その走りは、まさに21世紀に相応しい新時代のランボルギーニとして高い評価を受けた。また、リアウィングとサイドエアインテークが走行速度に応じた可変式となっているのも目新しい。
デビュー後2004年にはロードスターを追加、さらにその2年後にはマイナーチェンジを実施。フロントマスクをよりアグレッシブなデザインに変更しただけでなく排気量を6.5L(最高出力640hp)へアップし、車名もLP640というサブネームが付け加えられている。こののち、2007年には派生モデルのレヴェントン(20台限定)を発表、2009年にはLP670-4スーパーヴェローチェ(350台限定)をリリース。後者ではエンジンは670hpへと出力アップされ、各部の軽量化と併せて最高速度342km/hを達成している。
さて、ムルシエラゴのプラモデルは2社から1/24スケールで発売されている。ひとつはフジミで、これは初期型のみだがロードスターも存在。もうひとつはアオシマだが、これはSV(スーパーヴェローチェ)とそのレース仕様のみのバリエーションだ。ドア開閉はアオシマのみが可能で、フジミはギミックなし。そこで、アオシマのSVをベースにフジミのパーツ流用によって、ドア開閉の可能な素のムルシエラゴを制作したのが、ここでお見せしている作品なのである。
バンパー移植は幅の調整が不可欠!
まずアオシマとフジミのボディを比較。フジミの方(黄色)が幅広く、アオシマはフロントの絞り込みが強い。その他にも色々と違いがある。まずフジミのホイールをアオシマに移植して仮組み、少し外にはみ出るので調整。アオシマのボディに合せるためバンパー中央をエッチングソーでカットする。再接着してボディに合わせるが、ややクチバシ部分がダルいので光硬化パテを盛ってラインを変更。ノーズ延長分、ナンバーベース部もプラ材とパテで張り出させた。バンパー側をリューターで削ってホイールアーチの形を合わせる。
ノーズ上面のダクトを裏側からエポキシバテで塞ぎ、表から成形。サイドスカートはフジミのパーツに置き換え、隙間はプラ材とエポパテで埋める。エンジンフードもアオシマのボティに合うようカットし、プラ材で調整しつつ再接着。横のインテークカバーは隙間が生じるため、これもプラ材を貼った。リアエンドはバンパーだけでなく、スポイラー部もフジミから移植。開閉式のシザードアはそのままでは段差が生じるので、マジックヤスリでしっかり摺り合わせる。
おおむね改修の終わったボディはラッカーパテで傷などを埋め、サフェ吹き、確認、修正を繰り返して下地を仕上げる。ボディカラーはまず下塗りに、ガイア バーチャロンカラーの林翠(はやしみどり)+GXホワイト+GXクリアグリーンを数回に分けて塗装。上塗りとして、ガイア バーチャロンカラーのパール萌葱イエローグリーンを、ふわっと重ねるように吹き付け。クリアーを混ぜればムラも抑えやすい。その後クリアーコートし、中研ぎ後にオーバーコートを2回、乾燥後にコンパウンドで磨きだした。インテリアのグリーンにはボディの下塗りで使った色を塗装。初期型のシートはフジミのキットのパーツを使用している。
テールレンズはフジミのパーツを使用、ヘッドライトカバーもフジミのパーツだが、アオシマのボディに合わせカットして取り付けている。ボディ各部のメッシュにはエッチングを使用、前期型タイプのマフラーエンドはアルミパイプから自作した。
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