ゴルフに迫る充実装備も魅力
昨年4月にフェイスリフトを受けたポロ。その第一報はすでにお届けしているがこの度ようやくホットモデルのGTIに試乗する機会を得た。日本でも根強い人気のモデルだけに、その仕上がり具合が気になるところだ!
昨年4月にフェイスリフトを与えられたポロGTIは半導体不足の余波を受けて、実車にも触れるチャンスがなく、今回ようやく試乗が叶った。
ニューポロGTIと旧モデルとの外観上の差は、グリル下方の赤いラインと並行に走るLED、標準装備となったIQマトリックスヘッドライト、ハニカムラジエターグリルの左右に2個のLEDドライビングライトが新設されている程度である。またリアはコンビライトが2分割となってトランクリッドまで伸びているのが新しい。
真っ赤なブレーキキャリパーを傍目で確認しながら近づいてドアを開ける前にドアミラーがブラック仕上げになっているのに気が付く。新しいGTIには5色のボディカラーが用意されるが、試乗車のピュアホワイトのほか、キングスレッドメタリック、リーフブルーメタリックの3色にはオプションのルーフパックとして黒い屋根と組み合わせることが可能となる。
一方赤いカラートリムで囲まれたインテリアは兄貴のゴルフGTIに準じて一新、デジタル化された。まずドライバーの正面には標準で10.25インチの「デジタルコックピットプロ」、ダッシュボードにはタッチ機能を持つ9.2インチディスプレイが並ぶ。インフォテイメントのOSは最新のMIB3.1を搭載、OTAでソフトウェアのアップグレード、そしてアップルカープレイかアンドロイドオートもスマホを介してコンテンツや機能を使用可能だ。
パワートレインは2ℓ4気筒TSIで最高出力は従来の200psから207psへ、最大トルクは320Nmと不変で1500〜4500rpmで発生する。カタログデータは0→100km/h加速はコンマ2秒速くなって、6.5秒、最高速度は238km/h(旧236㎞/h)と発表される。
正直言って7psのモアパワーは感じられないがトルクの立ち上がり、そして回転の滑らかさが成長を感じさせる。またシフトフィールもゴルフGTI並みにクイックでスムーズな印象だった。
スタンダードなポロに比べ15mmローダウンされたスポーツシャーシにはオプションの18インチタイヤ、BSトゥランザ(215/40R18)が装着されていた。軽快で路面からのインフォメーションの確かなEPS(電気サーボ)ステアリングによるハンドリングはスポーティでシュアなロードホールディングを見せてくれる。コーナーで攻め込むと電子制御のデフロックが前輪をスムーズにコントロールして車体がコーナーの外側に膨らむのを正してくれる。まさにライトウェイトホットハッチの真骨頂的な存在で、これはEVでは味わえない感覚である。
フェイスリフトで恩恵を受けたのはADAS(ドライバーズアシスト)で、ゴルフに近づいた。オプションのIQトラベルアシストを装備すればレーダーセンサーとカメラによって前方の交通を監視、クルーズコントロールは車線はもちろん地図データ、GPS座標、制限速度、市街地、交差点、ラウンドアバウトなどを検知してレベル3並みのいわゆる瞬時であれば手放し、半自動運転をなんと時速210km/hまで可能にする。
当然ながらステアリングホイールにはセンサーが装備され確実にウォーニングが働く。また標準装備でもデパーチャーウォーニングや自転車歩行者の検知による緊急ブレーキ、追突防止、さらにドライバーの疲労を注意するアテンションアシストが用意されている。
ドイツ国内ではベースモデルの価格が3万300ユーロ(約395万円、19%の付加価値税込み)で既に予約発注が始まっている。日本での発売はおそらく今年中との情報が入っているが、半導体問題もあって遅れる可能性が高い。
【Specification】フォルクスワーゲン・ポロGTI
■全長×全幅×全高=4074×1751×1439mm
■ホイールベース=2552mm
■車両重量=1286kg
■乗車定員=5名
■エンジン型式/種類=-/直4DOHC16V+ターボ
■総排気量=1984cc
■エンジン最高出力=207ps/4400-6000rpm
■エンジン最大トルク=320Nm(32.6kg-m)/1500-4500rpm
■燃料タンク容量=40L(プレミアム)
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=前ストラット/コイル、後トレーリングアーム/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後ディスク
■タイヤ(ホイール)=前後215/45R17
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