スタイリッシュな外観と新ディーゼルエンジンが特徴
日産自動車は28 日、「キャラバン」ディーゼル車をマイナーチェンジし、4 月下旬に発売すると発表した。今回マイナーチェンジしたディーゼル車は、昨年10 月にマイナーチェンジしたガソリン車と同様に、ダイナミックで力強さを増したエクステリア、黒を基調としたインテリアなど、デザインを一新している。ボディカラーには、「ピュアホワイトパール」、「ミッドナイトブラック」、「ステルスグレー」の3つの新色を追加した。
また、歩行者の検知も可能な「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や、「インテリジェント アラウンドビューモニター」、「踏み間違い衝突防止アシスト」などの先進安全技術を新たに装備することで安全性能を大幅に向上させ、ディーゼル車においても全車「セーフティ・サポートカーS<ワイド>(サポカーS<ワイド>)」の対象とした。さらに、運転の疲労を軽減するという「スパイナルサポート機能付きシート」を全車標準装備に。
パワートレインには新ディーゼルエンジンと7速トランスミッションを採用し、静粛性とスムースな加速を両立したという。さらに、専用内外装の最上級グレード「GRAND プレミアムGX」を新設定している。
新ディーゼルエンジンの特徴
今回刷新したディーゼルエンジンは、排気処理に尿素SCRシステムを採用することで、平成30年排出ガス規制に適応したクリーンな排気により、排気性能とCO₂低減を高次元で両立したという。併せて、多段化した7 速トランスミッションの採用により、燃費性能は12.4km/L から13.9km/L*(JC08 モード)と、12%向上。動力性能はクラストップのトルクを更に進化させ、最大トルクは356N-mから370N-mとし、加速性も向上したとのこと。
※2WD ロングボディ3/6人乗り4ドア低床での数値
なお、今回のマイナーチェンジを機に、ガソリン、ディーゼルのマニュアルトランスミッション、ディーゼル車のワイドボディが廃止された。
メーカー希望小売価格(税込)は以下の通り。
各種特装車や特別仕様車も同時に発表
併せて、日産自動車の関連会社であるオーテックジャパンは28 日、「キャラバン」をベースとした特別仕様車「プロスタイル」、および車中泊仕様車、ライフケアビークル(LV)「チェアキャブ」、「ワークユースビークル」シリーズのディーゼル車をマイナーチェンジし、日産の販売会社を通じて4 月下旬に発売すると発表した。
※「ライフケアビークル」は日産自動車グループにおける呼称
今回のマイナーチェンジでは、ベース車と同様にデザインを一新。安全性能の大幅な向上や、疲労を軽減する「スパイナルサポート機能付きシート」の全車標準装備、新ディーゼルエンジンと7 速トランスミッションの採用などについても同様である。
昨年10月マイナーチェンジのガソリン車と同様、車中泊仕様車では、従来の「プレミアムGX」に加え、新設定の専用内外装による最上級グレード「GRAND プレミアムGX」もベース車に追加。それぞれのグレードでシートとベッドシステムの表皮を統一し、インテリアをトータルコーディネート。「チェアキャブ」では車いす固定装置を一新し、操作性の向上を図ったという。
キャラバン「プロスタイル」
キャラバン「プロスタイル」は、「こだわりのエクステリアとアクティブなインテリアを備えたワンランク上のプロ仕様モデル」とのこと。エクステリアには専用装備の15インチアルミホイール、ルーフスポイラー(オプション)などを採用。インテリアには手入れがしやすく滑らかで質感の高い専用防水シートをキャラバンで唯一採用、雨の日の作業やレジャーなどのアクティブな用途でも汚れを気にせず使用でき、便利だという。
キャラバン「マルチベッド」は、荷室スペースに左右跳ね上げ式のベッドシステムとフロアパネルを装備することにより、車内での休憩や宿泊のための機能を有しながら、積載性も兼ね備えたモデル。ベッドは荷室全面にわたって展開できるほか、左右に独立させた状態での使用も可能だ。ベッドをベンチとして、オプションのテーブルと組み合わせて使用することもできる。アウトドアスポーツや大きな機材を使用する趣味での活用、テレワークの仕事部屋としてなど、使用シーンに合わせてさまざまなアレンジが可能だとしている。
●トランスポーター
キャラバン「トランスポーター」は、フロアの強度と耐久性を向上し、アウトドアスポーツなどの大きく重量のある道具の運搬に適しているという。フロアは撥水性にも優れ、掃除などの手入れもしやすく、オプションのベッドシステムを選択すれば、快適な車中泊も可能となるとのこと。
キャラバン「チェアキャブ」は、簡単なリモコン操作で昇降する全自動リフターを装備し、車両後部から車いすやストレッチャーのまま車内に乗り込めるモデルで、主に福祉施設・病院の送迎用、福祉・介護タクシーのニーズに応える車両。広い室内スペースと高いスライドドア開口を活かし、充分な介護スペースと多彩なシートアレンジを実現した3つの仕様をラインアップしたという。
今回のマイナーチェンジでは、車いす固定装置を一新し、操作性の向上を図った。車いすのフレームに掛けるフックを軽量化するとともにワンアクションでのフックの分離を可能とし、さらに、従来のベルトタイプからワイヤー式に変更して固定時間を短縮するなど、さまざまな形状の車いすを、素早く容易に固定することが可能となったとのこと。
【各仕様の特徴】
・車いす2 名仕様 : 車いす2名が乗車可能。歩行可能な方8名と合わせて10名乗り
・車いす1+1 名仕様 : 普段は車いす1名、いざという時には2 名が乗車可能
・車いす4 名仕様 : 最大で車いす4 名が乗車可能
キャラバン「ワークユースビークル」シリーズ
●DX 2分割上級セカンドシート
キャラバン「DX 2分割上級セカンドシート」は、バンDXをベースに、セカンドシートをベンチタイプの折りたたみシートから、上級グレードの5:5 分割可倒式シートに変更したモデル。セカンドシートの半分を倒せば、長尺物を積載しながらもセカンドシートに1人が乗車可能。オプションのスライドサイドウインドウをセカンドシートの両側に標準装備している。
●中温冷凍バン/クールバン
積荷の温度を外気温以下に保持して運搬する車両。荷室に断熱材と冷凍装置を装備し、温度管理が求められる食品などを確実に運搬することができる。庫内温度の管理は、「中温冷凍車」ではマイナス5度まで、「クールバン」では5 度まで可能。荷室内装には抗菌パネルを採用したほか、プラズマクラスタ―®の搭載により、ニオイやカビを抑えて清潔な荷室を維持できるという。
●保冷バン
積荷の温度を保って運搬する車両。荷室の全面に断熱材を採用し、外気温が庫内に与える影響を軽減しているという。
●リフター付バン
重量物の積み降ろし用に、車両後方に自動昇降リフターを備えた車両。リフターは後方視界を妨げない折りたたみ式で、400kg まで昇降させることが可能。またリフターは、格納時に横方向に開閉することもでき、リフターを使用せずに軽い荷物を積み降ろしする際の妨げにならない構造だ。