GT-R復活を思わせた4気筒DOHCにターボをプラス
1981年8月に登場した6代目スカイライン(R30型)は、先代“ジャパン”で重厚長大なツアラー方向に振れた針を大きくスポーツに戻し、その後のスカイラインの方向性を定めた世代として記憶されるべき存在である。中でも同年10月に追加されたRSは、スカイラインの故郷・荻窪の旧プリンス工場で開発された日産久々のDOHCエンジン・FJ20Eを搭載し、4気筒ながらGT-Rの再来と評判になった。
当時の国産車は1970年代の排ガス規制によるパワーダウンをようやく克服し、右肩上がりの好景気にもあおられてパワーウォーズに突入、最高出力150PSを誇ったスカイラインRSも、たちまち160PSのトヨタの1.8ツインカム・ターボの後塵を拝することになった。そこで1983年2月、FJ20EにギャレットT03ターボチャージャーを装着し190PSを叩き出すRSターボが、「史上最強のスカイライン」なるキャッチフレーズとともに登場、スカイライン・ファンを驚喜させたのである。もっとも翌年2月には、空冷式インタークーラーを装着して205PSを豪語するRSターボ後期型「鉄仮面」が登場、前期型RSターボのオーナーたちを落胆させることになったのだが……。
さて、2019年3月にリリースされたアオシマのRSターボだが、パッケージアートで一目瞭然のごとく、一筋縄ではいかないキットである。そもそもこれは某警察ドラマの劇中車マシンRS2のボディとシャシーに鉄仮面の内装を組み合わせたもので、そのままではカタログストックのRSターボには全くならない。しかしながら、長年スカイライン好きモデラー諸兄が持ち望んできた、新金型で素晴らしいモールドのRS専用の純正アロイホイール、通称マンホールが入っているのだ! いやいや、これはもうマンホールを買うとRSターボ・エアロカスタムがおまけで付いてくる、と言うべきか。
当時人気のエアロパーツを削除しノーマル化
しかしせっかくのマンホール、これを生かさない手はない……ということで、ボディ表面から劇中車のディテールを徹底的に排除し、内装も前期型に改めるノーマル戻しを敢行した。前後バンパーの下半分と前後シートはマイクロエース(旧LS)の前期型RSから拝借、アオシマのボディとインテリアに適合させている。フード上のエアロダクトやサイドシルのスポイラーは、ボディの肉厚がたっぷりあるため、削り取っても穴が開かないのでノーマル戻しには都合が良い。フード中央の盛り上がりには、実車では真ん中に峰があるのでこれを追加した。0.5mmプラ板の細切りを接着し、これをガイドに瞬着パテを盛って成形。バンパー下のスポイラー部分はごっそりと切り落とし、マイクロエースの当該部(幅が広いので中央で詰めて合わせた)を合体。
リアも同様にバンパー下のエプロン部分を切除、マイクロエースの当該部を切り離して接合した。マフラーエンドの逃げの位置が合わないので一旦瞬着パテで埋めて、造形し直している。
リアコンビランプは2001年の“完全版”を機にメッキのリフレクターが追加されており、艶やかな丸テールの後ろ姿が楽しめる。ヘッドライトにもリフレクターが付くのだが、奥行きがありすぎて表情に違和感を覚えたので、プラ板とパテでリフレクターを作り、グリルのフィッティングやレンズ形状にも少し手を入れて、実車の精悍な表情を再現した。一方、余計なモールドを排除したボディのプロポーションが思いのほか良いのは、今回の嬉しい発見だった。
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