セダンやハードトップ、クーペのイメージが強いスカイラインだが、2代目S50型から7代目R31型まで、セダン派生のステーション・ワゴンや商用バンが連綿と存在していた。1985年夏に登場したR31型は、「都市工学」なるキャッチコピーでハイソカー路線に転舵し、4ドア・セダン/4ドア・ハードトップの2本立てとなったが、旧来のスポーツ路線を支持するスカイライン・ファンの不興を買って販売は低迷、1年後に2ドア・クーペとワゴンを追加するテコ入れをおこなっている。ワゴンに歴代で初めて設定された6気筒エンジン車は、シリーズ最強のRB20DETではなく、よりマイルドなシングルカム・ターボRB20ETで、リア・サスペンションも4気筒車と同じリジッドだったが、当時の国産車では最も豪華かつスポーティな乗用ワゴンとして、一定の支持を得ることに成功した。
また4気筒車には豪華な1800エクセルと簡素な1800Gがあり、GTパサージュ・ターボと合わせて、ワゴンは3グレードとなった。’87年夏のマイナーチェンジで、シリーズ全体がクーペに合わせてスポーティ路線に戻った際、ワゴンのフロントマスクもクーペ風となり、スポーツワゴン的な雰囲気がますます強まった。だが次のR32型ではワゴンは設定されず、1996年に新たに登場したステージアが、実質的にその後継車種となったのである。
フジミ製4ドア・ハードトップから改造!
R31ワゴンのプラモデルは残念ながら存在しないので、本作例は唯一の4ドアのキットであるフジミ製ハードトップから改造した。ハードトップのルーフはワゴンより25mm低いが、1/24に換算すると約1mmとなり、ほぼ誤差の範囲内なので、ルーフの嵩上げはしていない。たまたま手元にあったアオシマ製ジャパン4ドアのルーフを切り取って延長部分に使い、継ぎ目は瞬間接着パテで成形。キャビン側面は0.5mmプラ板から切り出し、窓を切り開けサッシのモールドを彫り込んだ。リアコンビランプやガーニッシュの形状は4ドア・ハードトップとは全く異なるので、すべてプラ板とパテで作り直している。
内装パーツはあのビッグサルーンのものを流用加工
シャシーはハセガワのクーペGTS-X後期型から流用した。R31はクーペもワゴンも全長/ホイールベース/オーバーハングは同寸なので、ボディとの合わせを工夫すれば、シャシー本体はほぼそのまま使える。ただしワゴンはリアサスの形式が異なるので、プロペラシャフトとデフケースのみ生かし、他はプラバン/プラ棒などでスクラッチして、5リンク・リジッドを再現した。インテリアはフロアやダッシュ、シフトコンソールなど多くをハセガワのクーペから、ドアトリムはフジミ、前後シートなどはアオシマ製Y31セドリック/グロリアから流用し、ラゲッジスペースはプラ板でスクラッチした。スカイライン史上で異色のGTワゴン、腕に覚えの読者諸兄にもぜひトライしていただきたい。
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