【FIRST PICTURE】「メルセデス・ベンツ・ニューCクラス」Cクラスの次世代モデルがヴェールを脱いだ!

プラグインHVが今後重要となるモデル

シャシーは現行モデルと同一の、フロントがダブルウイッシュボーン、リアがマルチリンクだが、Sクラスと同じ特徴的な装備として後輪ステアを採用。最大2.5度までの操舵が可能で、同相では高速走行時の安定性を保ち、逆位相では回転直径を40cm短縮しており、駐車を含む街中での取り回しの良さを実現している。

Cクラスのバリエーションは今回同時発表されたTモデル、すなわちワゴンだけでなく、クーペそしてカブリオレが続き、その後、おそらく2022年後半にはオール・テレインが続く。しかし、環境重視、カーボンニュートラルが話題の将来に向かって、非常に重要なモデルが新しいP-HEVである。C300e(ガソリン仕様)そしてC300de(ディーゼル仕様)にそれぞれ搭載されるシステムは、搭載される電池のエネルギー容量を現行の13.5kWから25.4kWhへと増大させ、航続距離を現行の50kmから一気に100kmへと文字通り倍増させている。しかも充電時間は最短で30分とまさにメルセデス・ベンツの唱えるエレクトリック・ファースト戦略の象徴的なモデルとなる。

セダンと同時にデビューしたステーションワゴンもデザインはキープコンセプト。ボディサイズは若干大きくなっているという。

ニューCクラスはまさにSクラスのベビー・バージョンと呼ぶことのできるスタイル、ハイテク、クオリティを備えたファミリーで、今年登場するニューモデルの中では最も注目され、期待される一台であることは間違いがない。ドイツではセダンとワゴンが今回、同時発表され、3月30日から受注が開始される。日本での発売時期についてはまだ公表されていない。

【PROTOTYPE IMPRESSION】乗り心地はスムーズで極めて洗練されたもの

試乗したのはC300e 4マチックAMGトリムの量産試作車で、軽いカムフラージュから分かるようにデザインはキープコンセプト。インテリアはまさに「インスパイヤード・バイ・Sクラス」でアップグレード感が尋常ではない。試乗車は2L・4気筒ガソリン・ターボで、最高出力25psに15kW(20ps)のスターター・ジェネレーターが組み合わされるMHEV。助手席からの走りの印象は、乗り心地はスムーズで洗練されたもの。パワーも十分で、さらにMHEVのおかげでアイドルストップからの再スタートが静かになったのと、20kW(26ps)のブースト・パワーも頼もしい。大いに期待できるニューCクラス、できればオプションの4WS仕様にも乗ってみたかった。

 

リポート=木村好宏/キムラ・オフィス(Y.Kimura/Kimura Office) ルボラン2021年4月号より転載

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