【国内試乗】「アウディ A4セダン/アバント」走りの質感を高めたA4の“第二楽章”

小野泰治
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2020/11/20 12:00

アウディの基幹モデル、A4にシリーズ初となるアップデートが施された。エクステリアはボディの大半をリニューアル。インテリアもインターフェイスを一新し、パワーユニットにはマイルドHVを採用。まさに変更メニューは全方位的だが、その出来映えはいかに?

実は見ためも中身も大幅にアップデート!

アウディ最新のデザイン手法を採り入れ、外観はボディパネルのほぼすべてが一新されたマイナーチェンジ版A4。フロントのシングルフレームグリルはワイドかつフラットな形状となり、下端部分の“切り欠き”が印象的でもあったヘッドライトはオーソドックスな造形に。サイドに目を向けると、前後フェンダーには新たに控えめなブリスターが構築されドアハンドル部にもプレスラインが追加されている。さらに、セダンはリアサイドウインドーを拡大。ピラーを細くする念の入れようだ。

従来型比でボディサイズは全長が10mm、全幅は5mm拡大。グレードはベース、アドバンスト、Sラインの3タイプで構成。いずれもリア回りはワイド感を強調するデザインに。

とはいえ、見ための印象が激変したわけではなくプレーンな佇まいは相変わらず。その意味では、従来型A4のオーナーが新型を見て落胆するケースは少ないはずだ。違いを一番意識させるのは5mmの全幅拡大をもたらした前述のブリスターフェンダーだが、それを見て往年の初代アウディ・クワトロが脳裏をよぎるのは筆者のようなオタクだけだろう。

上質にして清潔感が漂う室内の仕立ても、基本的には従来と変わらない。だが、新型ではインターフェイスから“回して押す”操作部が消失。そのすべてはインパネ中央に据えられた10.1インチのタッチディスプレイに集約されている。これは現行A8から始まった最新アウディの流儀にならったもので、実際に使ってみても操作性にはなんら不満がない。むしろ各種機能の実効に至るスピードは従来より速くなっているほどだが、クルマの操作に何かしらのエンタテインメント性を求めるなら凡庸になった感も否めない。そう、良くも悪くもいまどきにして普通な作りになったわけだ。

現状、Sモデルを除くA4のエンジンはマイルドHVを組み合わせた2Lガソリンのみ。2021年にはディーゼル追加も計画されている。

その他、日本仕様のハード面についてはSモデルを除きエンジンがマイルドHV機構を備えた2Lターボに統一されたことが最大の変更点。FFと4WDのクワトロではスペックが異なるが、FF用は従来型に搭載されていた1.4Lターボ比でパワーが据え置き、トルクは20Nm向上した。一方、クワトロ用はパワーが3ps低くなったがトルクは同じで数値上はほぼ同一だ。なお、現状は全モデルがガソリン仕様のA4だが2021年の初頭にはディーゼルの導入も計画されているという。

新たにインターフェイスの要となったタッチディスプレイは奥行き13mmの薄型設計で、わずかにドライバー側へと角度を付けてマウント。室内空間はグラスエリアが拡大された。

今回の試乗はセダンがクワトロ、ワゴンはFFという組み合わせだったが動力性能はFFでも必要にして十二分。よりハイスペックなクワトロなら、スポーティと表現できる速さも手に入る。ただし、どちらもマイルドHVのベルト式スターターが悪戯をしているのか、アイドリングストップ/スタート時の揺れは多少だが気になった。とはいえ、いったん走り出してしまえばパワートレイン全体の質感についても不満はない。

従来はシフトセレクター前方に装備されていたロータリーダイヤルによる“回して押す”インターフェイスが消失。新型では、小物を収められる収納スペースになった。

スッキリと軽い操舵感や、速域を問わず安定した姿勢がもたらす上質な身のこなしも相変わらずだが、今回は特にオプションのダンピングコントロールスポーツサスを装着したクワトロのライド感も印象的だった。試乗車は標準より1サイズ大径の戦闘的なタイヤを組み合わせていたのだが、日常域の乗り心地はFF仕様を凌ぐほど。操舵時のフィードバックにも適度にウェットな滑らかさが加わり、1ランク上の高級感が味わえた。ご存じのように欧州プレミアムDセグメントは強敵揃いの激戦区だが、リニューアルされたA4にそれらと互角以上に戦える実力が備わっていることはいうまでもない。

セダンのクワトロに装着されていたホイールはオプションの19インチで、標準より1インチアップ。タイヤサイズは245/35R19。ヘッドライトは標準仕様でもLEDを採用する。

当然だが、アバントはセダンより後席の頭上空間に余裕がある。試乗車のパーシャルレザーはオプション。

アバントの荷室容量は495~1495L。なお、セダンのそれは460L。

フォト=篠原晃一/K.Shinohara ルボラン2020年12月号より転載

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