トータル243psを発揮する2.5Lハイブリッドを搭載
5月18日、北米トヨタはフルモデルチェンジを受けて4代目となった新型「シエナ」を2021年モデルとして発表した。
「シエナ」は米国で製造・販売されるラージサイズミニバンで、初代は1997年に誕生。後席両側スライドドアを備えた3列シートキャビンが特徴で、新型でもこの特色は受け継がれている。
新型は新世代のTNGA-Kプラットフォームを採用し、よりスタイリッシュで洗練されたデザインに生まれ変わった。フロントマスクのデザインは日本の新幹線からインスピレーションを得たもので、滑らかでスピーディな印象をもたらす。前後のLEDライトがシャープな造形を採用する一方、フロントのエアインテークは大胆で、安定感あるスタンスを創出している。
ミニバンでありながらスポーティなイメージを強調しているのが、低めに設定されたルーフライン。ボディサイド下部からリヤフェンダーにかけて設けられた大胆なキャラクターラインも、新型の個性を感じさせるディテールのひとつに挙げられる。リヤビューでは、テールゲートのウインドーが若干寝かされ、一定の室内空間を保ちながらもスタイリッシュにまとめられた。
パワートレインでは新たに2.5L直列4気筒エンジンを用いたハイブリッドを採用。システム総合で243psを発揮する一方で、最高11.7km/Lのハイブリッド燃費を実現する。
駆動方式はFFに加えて、同セグメントのハイブリッドモデルとしては初となる4WDを設定。「エレクトロニック・オンデマンドAWD」と呼ぶ4WDシステムで、リヤホイールはモーターで駆動。前後の駆動力は0:100から20:80まで、路面や走行状況に合わせて配分。この4WDシステムは、滑りやすい路面などでの走行安定性を高めるだけでなく、アンダーステアの抑制にも効果を発揮し、高いハンドリング性の実現にも寄与する。
キャビンはグレードに合わせて2-2-3の7人乗りと、2-3-3の8人乗りを設定。7人乗りの2列目シートは25インチ(635mm)のスーパーロングスライドが可能なほか、FF車にはオットマンが備わり、飛行機のファーストクラスに迫る快適な移動を実現する。
新世代の運転支援機能で構成する「トヨタセーフティセンス」や、9インチタッチスクリーンを組み合わせ、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応するインフォテインメントシステム、Wi-Fi接続に対応するトヨタ・コネクテッド・サービスなど、先進技術の導入は惜しみない。
モデルバリエーションは、エントリー版に位置付けられる「LE」シリーズ(LEプラス/XLEプラスなどのパッケージオプションを設定)に加えて、上級装備をプラスした「リミテッド」や「プラチナム」がラインナップされている。