(グレード別解説・オススメグレード)豊富なバリエーション展開 ベストバイはどれ?
・バリエーションごとの違いを解説
新型3シリーズ日本発売の際、当初は直4 ガソリンターボエンジン車のみ購入可能だったが、その後も着々とバリエーションを追加。2020年4月時点で5種のパワートレイン、セダン8種、ツーリング7種のグレードをラインアップする。車両本体価格はセダンの金額で、ツーリングはセダンよりおおむね20〜30万円ほど高くなる。
・320i スタンダード/320i SE/320i M Sport (セダン/ツーリング)
184psを発生する2L直4DOHCガソリンターボを積む「320i スタンダード」は、新型3シリーズのベースとなるモデルだ。価格は536万円(税込。以下同じ)である。320iにはさらに、ベーシックな「320i SE」と、BMWの「駆け抜ける喜び」をより具現化したスポーティ仕様「320i M Sport」がある。
ベーシックなSEでもABS・DSC・DTCなどの豊富な安全装備を持つが、アダプティブ・ヘッドライト、ハイビーム・アシスタント、パーキング・アシスト、リヤ・ビュー・カメラ、さらにはACCや衝突回避・被害軽減ブレーキ・高速道路渋滞時ハンズ・オフ・アシストを含む「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」が備わらないほか、オプション装着も著しく制限される。しかもSEは受注生産のため、実質的には「スタンダード」がベースとなると言えよう。価格は320iスタンダードより75万円安い461万円となっている。
320i M Sportは、セッティングを固めにし、10mmローダウンする「Mスポーツサスペンション」、クロスレシオ化された「8速スポーツAT」、迫力ある外観を作る「Mダイナミクス・パッケージ(フロント・エプロン、サイド/リア・スカート)」、「Mスポーツ・レザーステアリング」、「スポーツシート」、「18インチアロイホイール」などを備えている。価格は597万円。
・320d スタンダード xDrive/320d xDrive M Sport (セダン/ツーリング)
先代3シリーズでも販売好調だったディーゼル。新型も2L直4DOHCディーゼルターボを搭載する。「320dスタンダード xDrive」と「320d xDrive M Sport」が選択可能だが、G20では駆動方式をxDriveに一本化した。ちなみに先代はFRも選べた。基本的な装備は、320iスタンダード/M Sportに準じる。価格は320dスタンダード xDriveが589万円、320d xDrive M Sportが641万円。
・330i M Sport(セダン/ツーリング)
320iと同じ2L直4DOHCガソリンターボながらも、チューニングの違いで一気に258psまでパワーアップしている「330i」。近年のBMW(メルセデス・ベンツも)では、「排気量を表す数字」が排気量そのものを示さないことが多いため、「330」だから3L、ということではない。内外装、装備はほぼ320i M Sportと同じだが、ブレーキが制動力を高めた「Mスポーツ」タイプに、オーディオが「harman/kardon サラウンド・サウンド・システム」になるなど、320i M Sportではオプションだった装備を標準で持つ。価格は647万円。
プラグインハイブリッド(PHEV)の「330e」。価格は667万円だ。セダンのみ存在。仕様・装備は330i M Sportをトレースするため、充電コネクタのリッドやエンブレム以外で、外観に大きな違いはない。なお「Mスポーツサスペンション」を備えていないことに注意。バッテリーを積む分、車両重量は320i比で+290kgの1.8tオーバーとなるが、その重さを感じさせない力強い走りが特徴。
・M340i xDrive(セダン/ツーリング)
「M340i xDrive」は、「走り」への復権を強く感じさせる新型3シリーズを象徴するグレードだ。現行型では唯一となる、直6エンジンを搭載する。387psというかつてのMモデル並みのパワー、フルタイム4WDとは感じさせないシャープなハンドリングを楽しむことができる。また左ハンドルを選択できるのもM340iだけである。
フラッグシップモデルだけあって、330i/330e M Sportに輪をかけて装備が充実。「19インチアロイホイール」、「BMWレーザー・ライト」、「ヘッドアップ・ディスプレイ」、「BMWジェスチャー・コントロール」、「地デジチューナー」、「ハンズフリー・テレフォン・システム」、「ヴァーネスカ・レザー・シート」などを標準装着するほか、M340i xDrive専用キドニー・グリル、エア・インテーク、サイド・ミラー・キャップ、テールパイプ、モデル・バッジなどの「専用デザイン・エレメント」も与えられている。走りの面でも「アダプティブ M サスペンション」、「バリアブル・スポーツ・ステアリング」を備え、プライスタグは985万円。
・悩ましきベストバイ選び
ご覧のようにパワートレーンが多種あり、320iSEとM340iでは価格差が524万円もあるバリエーション展開のため、購入しようと思った際に予算に応じて対象が絞られるのは間違いない。とはいえ、ベストバイな3シリーズはやはり気になる。一体、どれだろうか。
一番リーズナブルな320i SEは、価格的には500万円を切るため魅力があるように感じられる。しかしグレード解説でも記した通り、ACC、衝突回避・被害軽減ブレーキなど重要な安全装備がつかないことを考えると、差額の75万円を払って320iスタンダードを購入するほうが賢明だろう。
ズバリ、購入しやすく、BMWらしさに溢れ、購入後に「特別なクルマを買った」と思わせてくれるのは、ベースモデルの320iにMのイメージを流し込んだ320i M Sport。先代でも一番の売れ筋だったグレードである。320iスタンダードとの価格差は61万円あるが、内外装の特別仕立て、そしてスポーツATやMスポーツサスペンションまで装備しているので、むしろお買い得感もある。個人的な観点だが、M Sportのほうが外観上スタンダードよりまとまりがよいと思うのも、320i M Sportをオススメするポイントだ。
・さらに悩む、650万円前後のチョイス
一方、価格差があまりないグレードもある。ディーゼルの320d xDrive M Sport、258psを誇る330i M Sport、そしてPHEVの330e M Sportだ。それぞれ641万・647万円・667万円で、額面の差はさほど大きくない。いずれもM Sportで主要装備はほぼ同格ゆえ、選ぶ決め手はパワートレーンの好みになる。
この中で、判断が難しいのが330eだと思う。参考までに、燃料消費率JC08モード(国土交通省審査値)では、330iが15.7km/Lなのに対し330eは15.4km/Lで、カタログ上では330iのほうが燃費が良い。これは先代の330eも同様だった。もちろん、330eは乗り方・使い方によってはかなりの低燃費走行も可能で、かつ、いざとなれば、330iよりも高いトータル297psというハイパワーを使い、心地よい加速を楽しむこともできる……という、実にBMWらしいプラグインハイブリッド車といえる。
しかしガレージに充電設備が必要なこと、重いバッテリーを積む分、3シリーズ本来のハンドリングをスポイルしている……などデメリットも散見されるため、この3台の中では、運転の楽しさと価格が高い次元で釣り合っている330iと、日常生活域で十分以上の性能を持ち、トップエンドまで気持ちよく回るディーゼルエンジンを積む持つ320dはどちらも捨てがたい。最終的には、カタログ値18.9km/Lの燃費、燃料代の安さ、xDriveによる安心感が大きなアドバンテージの320dがオススメになるだろうか。
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