ジャガーI-PACEで充電旅、岡山県の城下町・高梁市でノスタルジーに浸る 桜前線は追えるのか!? ジャガーのEV「I-PACE」で行く「早春、大人の充電旅。第7回」

一本だけ咲き誇る奇跡のソメイヨシノ
日本の道百選の道や武家屋敷など見どころ満載

訪れたのは日本の道百選にもなっている紺屋川沿いの道。小さな橋が印象的で、両サイドに桜の木が並んでいる。狭い道、そして小さな踏切をパスして進んでいくと「ここです、あの一本だけ咲いてるんです」と西森さんがI-PACEを停車させた。なんと、川沿いに数多ある桜の中で、一本だけ見事に花が咲いていたのである。地元商店街のピンクの提灯が並んでおり、毎年春になるとここが高梁市のお花見スポットになると見受けた。

午前中に見た野生見あふれる白い山桜もいいが、高梁の一番桜はほんのりピンク色の、いわゆる私たちがイメージするソメイヨシノで、周囲のノスタルジックな景観にとても似合っている。停車いただいた場所はカメラアングル的にもベストポジションで、I-PACEの後ろから桜がおおいかぶさり、I-PACEが桜の花に包まれた感じで撮影することができた。

この紺屋川周辺には、江戸時代中期から後期に建てられた武家屋敷があり、書院造、数寄屋など日本家屋の素晴らしさを堪能できそうだが、こちらは先を急ぐ充電旅。西森さんにお礼をし、かつてから訪れて見たかった吹屋ふるさと村に向かうことにした。

高梁市図書館から吹屋ふるさと村まではおよそ40分、25kmの距離、15時には目的地に到着しそうだが、19時に大阪のホテルにチェックインしなくてはならないので、ゆっくり過ごす時間はない。道中はクルマ1台幅の狭い峠道で、地元の軽トラと道を譲り合う場面もあったが、大き過ぎないI-PACEの車幅は狭い道でも特に困ることはなかった。

最盛期には5,000人が暮らした
景観美しい歴史的名所「吹屋」

目論見どおり15時に着いた吹屋ふるさと村は、そこ一帯だけが江戸時代のままという、タイムスリップ感を味わえる赤い街並みが広がっていた。3連休の中日ではあるが、観光客もあまりおらずとても静かだったほか、いわゆる客寄せの看板やのぼりもないため、映画のセットの中にいるようだった。

この赤い街並みは古来の顔料であるベンガラによるもの。この吹屋という地域は江戸後期から大正期にかけて銅山とベンガラの生産で栄え、最盛期には5,000人もの人々が暮らしていたということだ。当時、ベンガラや銅の取引で財をなした豪商はそれぞれの屋敷の豪華さを競うのではなく、皆で話し合って今の島根県から宮大工を招き、ベンガラ色の統一された街並みを作ったのだそうだ。景観保全や景観デザインコントロールは世界各国で今でも重要な課題となっているが、こうした山奥に今でも美しく残る街並みを見ると、吹屋に当時住んでいた人々の意識の高さに敬服してしまう。

ベンガラ色の電気自動車I-PACEで
向かうは大阪、240kmの旅

ゆるやかなカーブに連なる赤胴色の石州瓦、ベンガラ格子、赤土壁。ベンガラ色の古屋にベンガラ色のI-PACEはなんともフォトジェニックだ。吹屋ではベンガラ焼きの陶芸体験教室も行っているそうだが、ベンガラの釉薬の写真をみると、まさにI-PACEのフォトンレッドに近い色合いを見せていた。有田や久谷の赤絵にもこのベンガラが使われているのだという。この吹屋の景観にI-PACEが似合うのは自明だ。

吹屋ふるさと村の滞在時間は残念ながら15分。ベンガラ色の電気自動車、I-PACEで向かうはここから240km離れた大阪で、出発時点での航続可能距離は260km。無充電で果たして到着できるのか? そのレポートはまた次回。

 

ジャガー I-PACEのお問い合わせ
https://www.jaguar.co.jp/jaguar-range/i-pace/special-site/index.html

ジャガーI-PACEで充電旅、5つ星ホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」で桜に出会う!
桜前線は追えるのか!? ジャガーのEV「I-PACE」で行く「早春、大人の充電旅。第8回」を読む

文:隂山惣一/写真:近藤浩之

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2020/04/01 13:30

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