【国内試乗】「ビー・エム・ダブリュー・アルピナB7 オールラッド」独自の進化を遂げたラグジャリーサルーン

誰もが納得する高い信頼性を獲得

それを除けば、優れた静粛性も確かめられる。4.4L V型8気筒ツインターボエンジンは、高速道路を100km/hで走行する際の回転数が8速1300rpmなので、パワーユニットのどんなノイズとも無縁でいられる。なおかつ、強大な最大トルクは800Nmと変わらないものの、低回転域では約30%上乗せされている。つまり、エンジン音が聞こえるような回転域までアクセルを踏み込むまでもなく、有り余る力強さが得られるということだ。

もちろん、アクセルを積極的に踏めばトルクは一気に上昇する。だが、それがカタマリになって飛び出すようなことがないあたりはアルピナの本領発揮といえる。思わずウォーッと感嘆の声をもらすほどの迫力がありつつ、荒々しくないという絶妙な刺激なのだ。アクセルを踏み続ければ、608psの最高出力に達する5500rpmまで一気に吹け上がる。そして、6000rpmまでは加速の勢いを維持。それでも、2速をキープすれば90km/h以下なので現実離れした速域にはならない。

走行モードがスポーツなら、4本出しのアルピナ・スポーツ・エキゾースト・システム内のバルブが開き、いかにも抜けがよさそうなコーンという快音を響かせる。だが、脈動音や破裂音を強調するといった過剰な演出をしないこともアルピナならではの特徴だ。

試乗車はオプションの21インチ鍛造ホイールを装備し、専用ブレーキキャリパーはアルピナのロゴ入り。

なおかつ、4WDシステムのALLRADを組み合わせるのでエンジンの比類なきパフォーマンスを確実に路面に伝える。新型B7はスポーティでいてラグジャリーであり、しかも一般路をメインステージにするモデルで最も大切な価値となる、誰もが納得する高い信頼性を獲得しているわけだ。

前後スポイラーのデザインは控えめだが確実に揚力を抑える。

4本出しの楕円テールパイプも定番のアイテムだ。

フォト=篠原晃一/K.Shinohara ルボラン2020年3月号より転載

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萩原秀輝
AUTHOR
2020/02/11 12:00

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