「どこへでも行ける、何でもできる」のがジープの最大の魅力【ジープ トレイルレイテッド・ワークショップ】リポート

長いモデルサイクルでシステマティックに進化

もうひとつキーとなるのが「接地性能」を試すモーグル路だが、ここはラングラー&グラディエーターが圧倒的に有利となる。この2モデルにはフロントのスタビライザーを柔軟にストロークさせられる「電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステム」が装着され、平行を保ちながらモーグルをクリアすることができるからだ。

Articulation【接地性能】

1輪が浮いた状態でも残りのタイヤでトラクションを確保して前進。ラングラーとグラディエーターは、フロントアクスルをしなやかにできる機構を備え、高い走破性を発揮。

他のモデルにも空転しているホイールにブレーキをかけ、空転していないホイールにトルクを伝えるBLD(ブレーキ・ロック・ディファレンシャル)が装備されることによりトラクションを確保。トラウトマン氏によれば、10年前までは機械的にトラククションを発揮させていたが、電子制御のBLDは、ABSが高速でパルスを発生させてトルクを伝達。この方式の利点は昔の機械的な方式の利点とも近しく、操作フィールも似ているとのこと。

JEEPCHEROKEE

このように、各モデルには電子機器モジュールが増えていることから、「渡河性能」を確保する上では水や泥からの保護、「最低地上高」は岩や段差からの衝撃でコンポーネントを損傷しないように設定しなければならない。そしてこれらのアップデートは、2020〜2024年をめどに行なわれるジープのPHEV導入に向けた布石とも言えるだろう。

Ground clearance【最低地上高】

グランドクリアランスはレネゲードとチェロキーは22.1cm、コンパスは21.6cm、グランド・チェロキーとラングラーは27.4cm。グラディエーターは28.2cmとなり、試乗車はタイヤサイズもアップされ、よじ登るようにキャビンへと乗り込んだ。

ジープはジープらしくあることが求められるが、それは伝統を貫くことではない。ジープはモデルサイクルが長いからこそ進化をシステマティックに考え、クレバーに時代へフィットさせてきている。この地頭の良さともえる技術革新こそ、ジープの真髄と言えるのだ。

JEEP COMPASS
Traction【駆動性能】

ホイールベースとトレッドを最小化し、ステアリング角度を大きくすることで、タイトな最小回転を実現。ラングラーはJKからJLのアップデートで約0.9m最小回転半径が小さくなった。

リポート:佐藤 玄/G.Sato フォト:FCAジャパン

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