77ギガヘルツ帯を活用する技術により、人や自転車の移動方向や速度も検出可能に
別項のボッシュと同じくグローバル・サプライヤー最大手のひとつであるコンチネンタルも、今年秋のフランクフルト・モーターショーに先駆けて、新たな独自技術のアピールを始めている。配線ケーブルなどを廃してバッテリーを除く重量を80kg以下に抑えた新設計の電動パワートレイン・モジュールは、電気自動車(EV)の重量削減を可能とし、最大の課題である航続距離の延長に貢献できるとしている。また、48Vのマイルドハイブリッドに関しても、30kWという高出力モーターの駆動も可能な技術をアナウンス。電動駆動による航続距離を80-90kmまで伸ばすことで燃費削減を実現する技術で、ストロングハイブリッドやEVより低コストで自動車メーカーに供給できるメリットを強調している。
この48Vに関してはボッシュと開発競争を繰り広げており、それがテクノロジーの進化につながっている。コンチネンタルは48Vマイルドハイブリッドシステムを生かしたプラグインハイブリッド車の開発も視野に入れており、これはEU(欧州連合)のCO2規制への対応を急ぐ自動車メーカーにとって魅力的な案件となっていきそうだ。
さらに同社は77ギガヘルツ帯を活用した新たな先進安全機能も発表。77-79ギガヘルツ帯を活用し、歩行者や自転車検知機能を高めたレーダーはすでにフォルクスワーゲン・ティグアンなどが採用しているが、新型の77ギガヘルツの短距離レーダーは、物体の動く方向や速度も詳細に検知。レーダーのみで周囲360度のモニタリングを可能としたことで、右左折時の巻き込み事故を高い確率で防止できるとしている。日本でも大型トラックによる歩行者や自転車の巻き込み事故が後を絶たないが、乗用車より先にトラックでの採用を望みたいところだ。
他にも開発段階ながら強い陽射しによる視界悪化や車内の温度上昇を避けるガラスの開発も進めており、その方向性は多岐にわたる。日本のデンソーなどもこうした技術開発は進めているはずで、縁の下の力持ちであるサプライヤー同士の競争が、今後の自動車のあり方に大きく影響していくことは間違いないだろう。
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