【比較試乗】「VWアルテオン TSI 4モーション エレガンスvsアウディA5スポーツバック45 TFSI クワトロ スポーツ」アルテオンはデザイン良し、パッケージング良し、パフォーマンス良し!

上品さと押しの強さが共存するアルテオン

2台を並べてみて、より強い存在感を放つのはアルテオンだ。今回のテストカーは、スタイリングが若干控え目なエレガンスだが、やはり横長のルーバーを備えた大開口のグリルから左右のヘッドライトに繋がる、横方向の広がりをこれでもかと強調したフロントマスクのインパクトは大きい。ボディサイズも全長4865mm、全幅1875mm、全高1435mmと、A5スポーツバックよりもひとまわり大きく、20インチの大径タイヤ&アルミホイールを履くこともあって、佇まい自体に迫力がある。
対するA5スポーツバックは、アルテオンに押し出しでは負けるが、プレミアムカーらしく洗練されたデザインを纏う。低く長いボンネットから強く傾斜したフロントウインドー、滑らかなカーブを描いてリアエンドまで伸びるルーフラインが生み出すフォルムは、アルテオンより明らかにクーペらしくエレガントだ。インテリアも、A5スポーツバックの方がやはり質感は高い。アルミパネルやレザーを多用したインパネまわりや、各種操作系のタッチなどは、さすがに車両本体価格が675万円(消費税込み)とアルテオンより76万円も高いだけはある。

AUDI A5 SPORTBACK 45 TFSI QUATTRO SPORT/クーペ風4ドア市場を築いた名手。アルテオンとの76万円の価格差は、シートに座れば納得。成熟度や完成度はA5の方が一枚上手だ。荷室容量は通常時で480L。

だがアルテオンも、フォルクスワーゲン・ブランドの他のモデルと部品を共用化しながら、レザーシートやレザーシフトセレクター、ウッドパネルなどが奢られていて、十分に上質な空間に仕立てられている。特筆すべきは室内空間の広さだ。A5スポーツバックもDセグメントの4ドアクーペとして標準レベル以上のスペースを確保し、リアパッセンジャースペースも十分に実用的な広さを備えているが、アルテオンの広さはA5スポーツバックの比ではない。
エンジンを縦置きするA5スポーツバックに対して、横置きであることから、よりキャブフォワードなパッケージングが可能なアルテオンは、タンデムディスタンス(前後シートのヒップポイント間の距離)が、このクラスの4ドアクーペとしては異例に長く、後席は身長180cmの大柄な男性が座っても、余裕で脚が組めるほど広々としているのである。ヘッドクリアランスも、A5スポーツバックより余裕があり、クーペフォルムであることを忘れてしまうほど。ラゲッジ容量も通常時で563Lもあり、4人乗車でゴルフバッグ4つを問題なく積めるのだ。

VOLKSWAGEN ARTEON TSI 4MOTION ELEGANCE/フラッグシップでありながら実用性は非常に高く、荷室容量は563Lから1557Lまで広大。横置きエンジン最大のメリットは、後席のニースペースの広さに活かされている。

走りの質感も高い実力を備えている。パワフルなエンジンと先進的な4WDシステム、MQBプラットフォーム採用による高剛性ボディ、そして15段階もの減衰力調整が可能なサスペンションが生み出す走りは、とても力強くダイナミックでありながら、乗り心地はフラットでとても快適だ。2017年に本国でデビューした当時は、スポーツモードを選ぶとゴツゴツとした印象を受けたが、最新バージョンではそんなことはなく、明らかに改善されている。
A5スポーツバックもやはり上質感に溢れた走りを披露するが、アルテオンに対する80万円近くの価格差が納得できるレベルかというと、判断が分かれるところだ。先進的な運転支援システムなど装備の充実度も、アルテオンは全く引けを取らないだけに、バリュー・フォー・マネーの点でも魅力的な1台であることは間違いない。

フォト:篠原晃一/K.Shinohara フォト:勝村大輔/D.Katsumura ル・ボラン2019年8月号より転載

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竹花寿実
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