手に入れた動力性能はこれぞメルセデス!
トランク容量は460Lを確保している。
感心させられたのは、そのライドコンフォートの質の高さだ。路面からの当たりの柔らかさはまさにメルセデスの味わい。確認しないで乗ったら、19インチタイヤを履くとは信じられないほどだ。
それでいてうねった路面を突破した時にはバウンシングがぴたっと収まるなど、きちんと締めるべきところは締めてくれる。前席も快適だが、その印象が後席でも変わらないことにも唸らされた。こういうクルマ、そうは多くない。
それでいてコーナリングも十分な軽快感を味わわせてくれる。実は新型CLAはAクラスよりトレッドが拡大されており、しかもそれはホイールオフセットではなくサスペンションそのものの変更で実現されている。また、リアサスペンションにトーションビーム式の設定はなく全車サブフレームマウントのマルチリンクとなる。こうして快適性とスポーツ性を、ともに高いレベルへ引き上げているのである。
動力性能も十分に満足できる。先代より30psのパワーアップを実現したエンジンは高回転域までよく伸びて気持ちいいサウンドを奏でるし、DCTの切れ味鋭い変速も心地良く、ドライブを楽しませてくれた。
デザインは魅力を増し、先代ではお世辞にも褒められたものではなかった走りは、これぞメルセデスという深い味わいを備えるに至った。日本のユーザーにとってどうかという観点では、少なくとも最初は可変ダンピング機構の設定が見送られていること、そしてサイズアップがどう捉えられるかが気になるが、それでも商品力は凄まじく高い。
日本での発売開始は年末に間に合うかどうかというところだという。今回試乗したCLA250 4マチックのほかCLA220d、CLA180などの導入が予定されているとのことだ。
リポート:島下泰久/Y.Shimashita フォト:メルセデス・ベンツ日本/Mercedes-Benz JAPAN ル・ボラン2019年6月号より転載