BMW 5シリーズもジャガー XFもブレーキの効きは大切だがタイヤ性能ももちろん重要!【清水和夫のDST】#81-3/4

ブレーキの効きよりもタイヤそのものの、ウェット性能を考えさせる結果となった

JAGUAR XF PORTFOLIO
●制動距離:53.5m(★★★★)

100km/hで半径40mの円に沿って進入し、ステアリングとブレーキを同時に操作。タイヤには十分なウェットグリップ力があるのだが、クルマ側のブレーキの効きが少し鈍い。挙動はリアが少し流れ気味だが、スピンするほどではない。そのまま4輪ドリフトで外側の走行ラインとなる。ここからはステアリングを切り込んでも、ヨーモーメントは発生しないので、40Rのラインには戻れない。アンダーは徐々に変化するので、ドライバーがびっくりするとこもないだろう。2回目はステアリングやや先行させてABSの誤判定をチェックするが、同じデータだったので、ABSのロバスト性は非常に高く優秀だという結論。

 

BMW 540i M SPORT
●制動距離:52.0m(★★★☆)

ミシュランなのでウェットは問題ないと思っていたが、BMWが採用したプライマシー3のウェットグリップは少し低いようだ。濡れた路面に入った瞬間にステアリングの手応えで接地感が薄くなることが手のひらで感じられた。データ的にはジャガーと同じだが、明らかにウェットグリップが不足している。しかし、クルマ側のブレーキが効くので、停止距離は短かった。実はいま、ヨーロッパでは車外通過騒音とCO2規制が厳しいので、この規制をクリアするためにタイヤのウェット性能が犠牲にされやすいのだ。そんな理由もあって、今回テストしたプライマシー3のウェット性能は少し期待外れだった。

 

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2017年7月号より転載

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