雪道でも安心なシンメトリカルAWD
乗用車4WDのパイオニアとして君臨し、AWD車の国内販売比率も90%近く、スバル=四駆がすっかり定着している。そんな彼らの技術の理解を深められる、雪上試乗会が開催。向かうは国内屈指の豪雪地帯である山形・肘折だ。
1971年に初の乗用車4WDであるレオーネを発売以来、現在でもシンメトリカルAWDの名でその技術をアピールしているスバル。昨年の日本一の豪雪地帯で有名な青森県・酸ヶ湯に続き、今年は山形県・肘折に舞台を移して雪上試乗会が開催された。
今回スバルがこの場所を選んだ理由は、肘折が歴代最深積雪ランキングで2位であること(1位は酸ヶ湯)、スバル車の国内登録車シェアが3.7%と高いこと、またAWD車の販売比率も95.4%とこちらも高いことからだという。ちなみに初の乗用4WD車の試験も、月山で行っていたという。
そんな彼らが用意していた試乗車はXVとフォレスターで、いずれもハイブリッドのe-BOXERとガソリンの2種、今回はXVの2モデルを試乗することができた。
今回は山形市を出発し、肘折温泉を経由して庄内空港に戻るルート。途中樹氷で有名な蔵王スキー場に立ち寄り、記念写真をパチリ。
ルートは山形市内のホテルを出発し、途中寄り道をしながらお昼を目途に肘折温泉に到着、そこでクルマを乗り換えて、出羽三山神社や鶴岡もしくは酒田に立ち寄りながら庄内空港を目指すというもの。試乗時の市内は雪も少なく、路面もドライかウェットであったが、山を登るにつれ徐々に雪も増え始めた。そして道路脇はみるみるうちに車高を超えるくらいの積雪量に、さすが豪雪地帯だけのことはある。
今回試乗したのはXVのみ。コンパクトなサイズは取り回しもしやすく、除雪により狭まった道路でも気を遣わずドライブできた。女性に人気なのもそんな理由からだろう。室内も広々で荷室の使い勝手も良好だ。
こうした状況でXVの利点は、コンパクトなボディからくる取り回しのしやすさだ。山道は一般的に幅が狭いが、積雪量が多くなると除雪により路肩が狭くなるもの。そうすると行き違い時対向車に気を使う必要があるが、XVならそれほど気にせずに済む。
装着されていたスタッドレスタイヤはブリヂストンの最新モデル、ブリザックVRX2。圧雪はもちろん、アイスやシャーベット路面でも安定したグリップ性能を発揮してくれた。
もちろん雪上でのトラクション性能も優秀で、多少アクセル操作をラフにしても、最小限のスリップで発進・加速してくれる。コーナリング時も60:40の駆動力配分をベースに、ロックまで可変するアクティブトルクスプリットAWDのおかげで、スタビリティの高い走行が可能。e-BOXERもブレーキ/加速とも気になる制御はなく、むしろこちらの方が雪道にあっていると思える出来であった。
今回はひとりで300km以上の距離を走ったが、疲れ知らずだったのはスバルのAWD性能の高さのおかげなのだろう。