使い勝手はフツー、効きは競技スペック!
今回のタニグチのデモカーインプレ、オーダーがちょっと変わっている。通常だとサスペンションメインで評価を行うのだが、コイル、ダンパー共に試作ということで、LSDの評価を行なって欲しいとのこと。
従来タニグチブランドのLSDは、OS技研製のスーパーロックLSDをジムニー用にセットアップした物。これは、トルク感応型のLSDにイニシャルトルクをかけたもの。効きの良さには定評があるが、左右のトルク差が100パーセントになるとイニシャルトルクのみの効きとなる。これは構造上の特性だ。しかし、今回タニグチが発表するLSDは、トルク感応型と回転感応型のハイブリット。回転感応型とは、プロペラシャフトから駆動が入ると、スパイラル形状のサイドギヤがトルクを発生する方向に動き、トルク差に関係なく機能するというもの。このデュアルコア構造は、早い効きと安定した動作を両立した究極の方式。ファイナルLSD SPと名付けられたこのLSDを新型ジムニーに採用している。
さっそくオンロードを走らせてみた。はっきりいって自然。スタート時にステアリングを切っているとLSDが入っていることが実感できるが、それ以外はほとんど分からない。アクセルのオンオフを繰り返してみても違和感は皆無。当然、チャタリング音の発生もない。
次にオフロード。意図的に対角線スタック状態に持ち込み、そこからゆるーくアクセルを入れてみる。従来モデルでもっとも効きにくいシチュエーションだ。しかし、このファイナルLSD SPは、「あれ? デフロックだっけ?」という効きを発揮。グイグイ前に進む。このLSDの効き具合は別次元だ。
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