いよいよMモデルでドリフト三昧
次はオーバルコースでアンダーステア、オーバーステアなどのクルマの挙動を体験する。ここでドライブするのは、M2、M4、M5といったスポーツモデル。微妙にアクセルをコントロールしつつの定常円旋回では、ちょっとしたステアリング操作によって、クルマの挙動はアンダーまたはオーバーステアの状態に陥る。その微妙なサジ加減で、ドリフト状態に持って行きたいのだが、残念ながらワタクシはスピンしまくりでうまくいかず。ああ、これがうまく決まったらどんなに楽しいだろうか。
もっとスピードを上げろ! ステアリングを切ったまま、アクセルのオン/オフでドライブしろ!と無線を通じてインストラクターが言っているようだが、それができれば苦労しないって。でも、このレッスンが一番楽しかった。
イメージ的に、小さいM2が小回りが利きそうに感じるが、実際に一番扱いやすかったのはM5だった。そうか、新型M5のトピックは、Mセダン初となる4WDが搭載されていることだったじゃあないか。4.4L V8エンジンを搭載する新型M5は以前にもましてパワフルになり最高出力600psを発生する。いくらパワーがあってもそれを路面に伝えられなくては意味がない。いうまでもなく4WDは4つのタイヤに駆動トルクを振り分けるから、2輪駆動に比べて許容するパワーに対するアドバンテージは大きい。そこで圧倒的なトラクション性能のよさに加え、通常走行時でも安定性と安心感を生み出す4WDは、いまやハイパワースポーカーには必需品となっている。
そこで、ふと疑問に思ったのが、通常のxDRIVEと、M5のxDRIVEは何がどう違うのか?ということである。
BMWには、大きく分けてFF用xDRIVE、FR用xDRIVE、M5用のM xDRIVEと3つの4WDシステムがある。FF用はさておき、FR用のxDRIVEは通常走行時のトルク配分は約40:60だが、走行状況に応じて0:100から50:50までオンデマンドに変化する。ただし、これはクルマが緻密な制御で行なってくれるものでドライバーが意図的にトルク配分をすることはできない。
対してM5用は基本的なシステムはFR用と共通だが、アクティブMディファレンシャルと組み合わされる。だからM xDRIVE。そしてFR用との大きな違いは“ドライバーが意図的に”0:100の完全なFR(2WDモード)を設定できることだ。さすがBMW、いやさすが“M”!
デフォルト設定は4WDなので、日常の足として使う際には、濡れた路面や積雪時などの悪条件でも余裕のある走りを手に入れることができる。そしていざ腕に覚えのあるドライバーが、サーキット走行やスポーティなドリフト走行を楽しみたい時などは、2WDモードを選択して純粋なFRモードで駆けぬける歓びを堪能することができるというわけだ。さらに4WDにも通常モードと4WDスポーツが用意されており、4WDでもドライバーの好みに応じて走行特性を設定できるのはさすがといえる。ちなみにこれらはiDRIVEの設定画面から変更する。
さらにアクティブMディファレンシャルによって、左右後輪間の駆動トルク配分も制御する。これはリアの路面グリップが変化する場合などでは、その状況にあわせて後輪左右に常に最適なトラクションを伝えることによって俊敏性や走行安定性を確保するのだという。ちなみに、M2やM4にもアクティブMデファレンシャルは標準装備されている。
FFや4WDに比べ、もともと高速時の直進性などに不利なFR方式を採用するBMW。しかしそれを解決すべくさまざまなテクノロジーを駆使して駆けぬける歓びを提供しているのだ。50:50の前後重量配分にこだわるのもそのひとつなのだろう。ひとたびステアリングを握れば、確かな手応えとともに思った通りの動きでスムーズにフロントが向きを変える。どんなクルマとも違う独特の運転感覚がBMWの魅力だ。
雪道でも、スポーティな走りを楽しめるBMW。4WDというと、アウディのお家芸クワトロがすぐに思い浮かぶが、BMWのxDRIVEだって負けてはいない。
申し込みや、イベントのハイライトビデオはこちらから。
https://www.bmw.co.nz/en/topics/world-of-bmw/all_events/alpine-x-drive.html
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