新油圧システムの採用により約12秒でオープンに
1月9日、ポルシェはタイプ992に移行した新型911のオープントップバージョン「911カブリオレ」を発表した。
トップは全自動のソフトトップ仕立てで、ガラス製リアウインドーを採用。新しい油圧システムの採用により、ソフトトップの開閉時間は約12秒を実現。50km/hまでの車速なら走行中の開閉操作が可能だ。オープン走行時に車内への風の巻き込みを低減するウインドーディフレクターは、電動で伸縮できる機構を採用。トップのクローズ時は911クーペと同様のルーフラインを描くのは歴代モデルと変わらない美点だ。
まず発表されたのは後輪駆動車の「カレラSカブリオレ」と、4輪駆動車の「カレラ4Sカブリオレ」。エンジンはいずれも、最高出力450ps/6500rpm、最大トルク530Nm/2300-5000rpmを発揮する3リッター水平対向6気筒ターボを搭載。トランスミッションは8速デュアルクラッチのPDKを組み合わせ、0-100km/h加速タイムはカレラSが3.9秒、カレラ4Sでは3.8秒を実現。オプションのスポーツクロノパッケージを選択すれば、そのタイムはそれぞれ3.7秒と3.6秒に短縮される。最高速はカレラSで306km/h、カレラ4Sは304km/hに達するという。
走りの面では新型クーペで初採用された「ウエットモード」を搭載。路面の水を検知し、それに応じて制御システムを調整することでドライバーに注意を促し、より安全なドライビングを提供する。一方、ボディにアルミ素材を多用したことや、エンジンマウント位置が新しくなった効果で、従来モデルよりねじり剛性が向上。優れた前後重量配分との相乗効果で、よりニュートラルなコーナリングパフォーマンスを実現しているという。
ボディは2018年11月に開催されたロサンゼルス・オートショーで発表されたクーペモデルと同様に、フロントで45mm、リアは44mmワイドになり、後輪駆動車と4輪駆動車で同じサイズのボディを採用する。ホイールサイズはフロント20インチ、リア21インチが標準だ。前後ライトをはじめとする各部のディテールは、クーペモデルに準じている。
インテリアでは、10.9インチのスクリーンを組み合わせる新世代のPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネジメント)が新型を感じさせる。
そのほか、ブレーキアシストシステムやパークアシスタントシステムといった先進の運転支援機能は新型クーペと同様に標準装備。オプションではさらに赤外線カメラ付きナイトビジョンアシストや自動距離制御付きアダプティブクルーズコントロール、ストップアンドゴー機能などが設定される。
本国ドイツではすでにオーダーが可能で、同市場における販売価格はカレラSカブリオレが13万4405ユーロ(約1679万円)から。カレラ4Sカブリオレは、14万2259ユーロ(約1777万円)からとなっている。
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