熱帯地域や寒冷地での走行、そして風洞実験の様子まで
BMWは9月11日、現在開発を進めている7世代目を迎える次期「3シリーズ・セダン」のティザーとして偽装したプロトタイプ車両を用いた各種テスト風景を公開した。
本サイトでも8月21日付のニュースでお伝えしているとおり、次期型3シリーズ・セダンのティザーは、すでにニュルブルクリンクの走行テストの模様が公開されている。今回公開されたのは、熱帯地域や寒冷地での走行、運転操作を確認するベンチテスト、そしてボディの空気抵抗を確認する風洞実験の様子で、開発が最終段階に入ったことが示されている。
熱帯地域でのテス走行は米ネバダ州のデスバレーが舞台。日中の最高気温が60度に達する灼熱の地に長時間にわたって放置された状態から冷房の利き具合を確認したほか、ホコリや電磁波といった過酷な環境のなかで、タイヤ空気圧インジケーターやデジタルメーターをはじめとする各コンポーネントが正常に機能しているか、さらには高度4000mの高地での適応力までさまざまなテスト走行が繰り返された。
一方、寒冷地テストは北極圏にほど近いスウェーデンはアリエプローグでウインターテストを実施。DSCをはじめとする車両安定装置やシャシーシステム、4輪駆動システムのxDrive、Mスポーツ・ディファレンシャルをチェック。
運転操作を確認するベンチテストでは、車線変更や旋回、加減速といった1万2000を超える走行動作を、コンピュータシミュレーションを駆使して最適化を図る。試験装置は欧州の石畳路面からニュルブルクリンクをはじめとするサーキットトラックまで、さまざまな走行シーンを想定することができる。このテストでは同時にボディ剛性や車軸構造の振動なども検査される。
ドイツ・ミュンヘンにあるBMWグループの空力実験センターでは、実際の走行でボディの上面や側面、そして底面にどのように空気が流れるかを確認し気流状況を正確にチェック。次期3シリーズ・セダンの掲げる0.23の空気抵抗係数(Cd値)を確認する。
そのほか、ミュンヘンからほど近いアシュハイムや、フランス南部のミラマーにあるBMWグループのテスト施設でも、高速走行やスラローム走行といった動的試験が行なわれ、ステアリングやブレーキの応答性といった項目を分析、最適化が実施された。
ニュルブクリンクにおけるダイナミックテストをはじめ、多角的にテスト&最適化が重ねられている様子を出し惜しみなく公開した次期3シリーズ。その仕上がりの良さを期待せずにはいられない。
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