この手際の良さ、神か悪魔か!?タミヤ製プラモ「三菱GTO」を後期型に改造する!前編【モデルカーズ】

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バブル期ならではのハイテクスポーツ

三菱のGTOと言えば、大昔なら、1970年にデビューしたコルト・ギャランGTOのことを指したものだが、今ではGTOと言った場合、多くの人が思い浮かべるのは、1990年登場の三菱GTOであろう。しかしその三菱GTOも2001年に販売終了となり、後継車もないまま、すでにふた昔以上前の車種となってしまった。

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1990年10月に発売された三菱GTOは、それまでのスタリオンの後継としてデビューしたハイテク満載の「スポーツカー」である。そのワイドボディからも分かる通り、スタリオン同様に北米市場を睨んで開発されたモデルであり、国外にはミツビシ3000GTの名で販売されたほか、アメリカでは兄弟車としてダッジ・ステルスも送り出された。

スタリオンの名を捨てるにあたっては、やはり必ずしも成功した車種とは言えないイメージを振り切る意図があったのだろう。そこでかつてのギャランGTOから名称を持ってきたのはなぜなのか、やはり少しでも往年の名車にあやかりたい、ということであろうか。

ボディ形式はリアハッチを持つ2ドアのファストバック・クーペ、全幅は前述の通り幅広く1840mm、全長は4555mm。スタイリングは、当時の三菱がコンセプトカーなどで盛んに見せていた、うねりのある曲面を多用したもので、余裕あるボディサイズを活かしたものと言える。HSXの名で前年にモーターショーに出品された際は、ホンダNSXのようにリアフェンダーから面が繋がったリアウィングが特徴だったが、市販されたGTOでは別体のスポイラーに改められていた。

基本的なドライブトレインはディアマンテと共用しており、FFベースのフルタイム4WDというレイアウトを持つ。横向きに搭載されるエンジンはV6 3L、DOHC24バルブの6G72で、最高出力はインタークーラー付きツインターボでは280ps、ターボなしでは225psだった。サスペンションはフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーン。

GTOにおけるメカニズムの基本コンセプトとして掲げられたのは、「オール・ホイール・コントロール」という考え方で、無論フルタイム4WDもこれに基づくものであったが、さらに時速50km以上で作動する4WS、電子制御サスペンション、大型ベンチレーテッドディスクブレーキ(前後とも)とABSなどが組み合わされていた。

こうした電子制御ギミックがいたるところに導入されていたのもGTOの特徴で、空力面ではアクティブエアロ・システムを採用。これは時速80km以上に達するとフロントのベンチュリーカバーがせり出し、リアスポイラーの角度も増すというものである。また、アクティブ・エキゾースト・サウンドというものもあった。これは、街乗りモードとスポーツモードの2種類に排気音を切り替えられるという装備である。

ちょっと手間のかかる改造だけど、インパクトは絶大
さて、三菱GTOのプラモデルは、タミヤ製1/24キットが唯一となる。ただし、兄弟車であるダッジ・ステルスには、AMTによる1/25、そしてリンドバーグの1/20というふたつのキットが存在していた。ここでお目にかけている作例は、このタミヤ製GTOを、ストレートにではなくちょっとひと工夫して制作してみたものである。固定式ヘッドライトの後期型に改造したのだ。

ちょっと手のかかる改造ではあるが、さらにデザイン変更を受けた最終型へと改修を試みるよりは難易度は低いと言える。ただし、作例ではリアスポイラーをキットのままとしたため、正確さの面で言うと中期と後期の折衷的な状態となったが、後期型のリアウィングへの改造もそう難しい作業ではないだろう。工程の写真に作業の解説を付しておいたので、人と違うGTOを作りたい方は参考にしていただきたい。また、今回紹介しきれていない内容は、追って公開する後編でお伝えしよう。

作例制作=渡辺 剛/フォト=服部佳洋 modelcars vol.234より再構成のうえ転載

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2023/10/07 17:40

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